WordPressサイトの表示速度をレンタルサーバー各社で比較【2017年版】(GTmetrix)

WordPressサイトの表示速度をレンタルサーバー各社で比較(GTmetrix)

近年、ますますWebサイトの表示速度の向上が重要性を増してきています。Google は、2010年にサイトの表示速度を検索結果に反映することを発表しています。

また、2016年11月には MFI(モバイルファーストインデックス)、つまりモバイル向けページの評価を PC 向けページの評価より優先して検索結果に反映することを発表しましたが、さらに 2017年3月にはモバイルページの表示速度も MFI のランキング要素として組み込む方針も示されました。

参考:「MFIでは表示速度をランキング要因にしない」をGoogleが撤回、速いページを評価する #SMX West 2017

現在世界中で最も利用されている CMS(コンテンツマネジメントシステム)は WordPress ですが、WordPress の表示速度がネットビジネスにおいて重要さを増してきていると言えます。

そこで、各レンタルサーバーにおける WordPress の表示速度をツールでチェックし、比較してみたいと思います。

最新の検証データについては、以下の記事を参照してください。

サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較【最新版】

WordPress の表示速度をGTmetrixでチェック

今回、WordPress の表示速度をチェックするにあたり、GTmetrix というツールを利用しました。

GTmetrix は、Webサイトの表示速度に関するパフォーマンスを測定できるサイトで、計測したい URL を入力することで、Google や Yahoo! のサイト計測サービスでの評価をはじめ、パフォーマンスを改善するための細かい情報を取得することができます。

ただ、Google や Yahoo! の評価に関しては、キャッシュなどの高速化処理や圧縮処理などを行うことによって、その評価が大きく変化します。

今回は純粋なサーバーの実力を比較することが目的のため、計測項目の中の Fully loaded time(Page Load Time)、つまりページの読み込み速度だけを比較することにします。

また、計測地点は海外であるカナダのバンクーバーのため、国内でテストサイトを表示するよりも速度は遅くなると思いますが、逆に各レンタルサーバーが収納されているデータセンターの国内における地域差は問題になりません。

表示速度計測の実施概要

WordPress の表示速度は、キャッシュ系のプラグインや圧縮処理や様々な高速化処理、CDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク:データ量の大きい画像などを別のサーバーから配信すること) などを利用することにより、高速化することができます。

しかし、今回はレンタルサーバーの実力を比較することが目的なので、サーバー側の設定で変更できない内容を除き、基本的に素のままの WordPress に同じコンテンツを入れた状態で、その表示速度を計測します。

また、測定に利用した WordPress サイトの概要は以下の通りで、すべてのサイトで統一しています。

・WordPress 4.7.3
・PHP 5.6(WebARENA のみ PHP5.6 が利用できないため PHP5.3)
・文字数:約3,000
・本文中画像:1枚
・WordPress テーマ:Twenty Seventeen(最新)
・プラグイン:デフォルトの3つ「Akismet / WP Multibyte Patch / Hello Dolly」

キャッシュ系のプラグイン(mixhost で推奨している「LiteSpeed Chache Plugin」など)や高速化の処理(エックスサーバーの「mod_pagespeed」など)などに関しては、一切利用していません。

実施時間に関しては、平日に時間帯を変え、2~3時間おきに全部で 7回実行しました。

レンタルサーバーは昼間と夜間帯では負荷が異なることが多く、実際のばらつきなどもチェックするために、朝の9時~夜の2時にかけて、となるべく広い時間帯になるよう実施しています。

WordPressの表示速度比較

では、テストの結果を見てみましょう。

計測した値は、サイトのデータをすべて読み込むのにかかった時間で、単位は「秒」です。複数回計測した値の中で、最小・最大・平均値を掲載しており、平均値が速い順番に上から並べています。

最小値 最大値 平均値 順位
エックスサーバー 1.1 1.4 1.29 1
mixhost 1.5 1.7 1.66 2
CPI 1.8 2.1 1.87 3
お名前 1.7 3.1 2.01 4
ロリポップ! 2 2.4 2.09 5
sixcore 1.8 2.4 2.14 6
カゴヤ 2 2.4 2.19 7
heteml 2 3 2.2 8
ABLENET 2 3.1 2.27 9
WebARENA 2.2 3.3 2.44 10
さくら 2.3 2.7 2.51 11
クローバー 1.8 4 2.7 12
WADAX 2.4 3 2.74 13
iCLUSTA+ 3.7 13.7 6.13 14
Bizメール 3.4 12.9 6.34 15

まず、平均値を見て大きく分けると、1分台/2分台/6分台の 3つに分けることができます。

6分台の iCLUSTA+Bizメール&ウェブエコノミーはどちらも最速でも3分台であり、ブレも大きいことから、閲覧ユーザーの体感的にもかなり表示は遅めと言えます。Google の調査によると、モバイルで 5秒以上ブログが表示されないと約74%の閲覧ユーザーは離脱してしまうということですから、この 2つのサーバーはかなり厳しい状況ですね。

つぎに、2分台の 10サーバーですが、中には最速が 1分台のものもいくつか見られますし、平均値でもある程度の幅はありますが、6分台の 2つと比較すると横並びという印象で、大きな差はないように思われます。

最後に、1分台の 3サーバー(エックスサーバー・mixhost・CPI)に関しては、いずれも最小値と最大値の差分が 0.3 以下で、表示が速いだけではなく、非常に安定していることもわかります。特にエックスサーバーは唯一1秒台前半で、2分台の一番下の WADAX の約半分とかなり速いですね。

WordPress サイトの表示速度は、単純にサーバーのスペックだけではなく、特に共用サーバーの場合は、同居ユーザーのサーバーに対する負荷状況、回線の使用状況などによっても左右されます。

そのため、最小値と最大値のばらつきが小さいサーバーは負荷に強い(他のユーザーの影響を受けにくい状態)可能性がありますので、より安心して使えるサーバーと言っていいでしょう。

WordPressサイトの表示速度をレンタルサーバー各社で比較まとめ

以上、WordPress の表示速度を比較した結果を見てみました。

結果としては、最も表示速度が速く、かつブレが少なく安定している、エックスサーバーが 1位となりました。

また、新進気鋭の mixhost も最新・高速の Webサーバーソフトである「LiteSpeed」を使用しているだけあり、かなりのパフォーマンスを見せました。CPI も安定性が高いうえに、表示速度もいい値を出しており、以上の上位 3位はかなりいい成績ですね。

ただ、2分台のサーバーもそれほど大きな差が出ているわけではないので、全体的には最下位層の iCLUSTA+ とBizメール&ウェブエコノミーを除き、それほど悪い結果ではないと言えるでしょう。

なお、実際にレンタルサーバーを利用する上では、表示速度だけではなく、安定性を含めたトータルでのパフォーマンスを見てサーバーを選ぶことが大事です。

サーバートータルでのパフォーマンス結果は、以下に掲載していますので参照してみてください。

レンタルサーバーのベンチマーク総合評価ランキング【2017年版】

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