2016年12月23日に、レンタルサーバー業界大手の「さくらインターネット」が創業20周年を迎えました。また、共用サーバープランである「さくらのレンタルサーバ」も、今年の7月にリリースから12周年を迎えています。
また、今回の創業20周年の節目に、コーポレートロゴの刷新と社名の英語表記を若干変更しました。
さくらインターネットといえば、インターネットの黎明期からレンタルサーバー業界を支え、先陣を切って低価格のレンタルサーバーの提供をしてきた老舗です。
今回は創業20周年を迎えた、さくらインターネットの軌跡と活動を追ってみたいと思います。
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さくらインターネット創業から20年の軌跡
さくらインターネットは、現代表取締役社長の田中邦裕氏がまだ高等専門学校の学生だった、1996年12月23日に創業しました。まだ、インターネットの黎明期であり、田中氏も若干18歳の出来事です。
当初は学内の回線を利用して学内の友人知人にサーバーを貸し出していたところ、学外からも利用したいと要望があり、創業に至ったそうです。(実は、学内回線を使用していることを学校側に知られたため、撤去せざるを得なかった、という逸話も)
このように田中氏の場合は、ITベンチャー企業の多くの創業者のように「立身出世の野望を抱いて」創業した、というよりは、周りの状況から自然に創業に至った、という流れのようです。
その後、当初は地元のプロバイダーに労働力を提供する代わりにサーバーを置かせてもらったりしていましたが、大阪に移転後、多くの投資家に出会うことで順調に事業を拡大していきました。2004年7月には商号を「さくらインターネット株式会社」に変更し、共用サーバープランである「さくらのレンタルサーバ」も提供を開始しました。
事業が大きくなり、2005年に東証マザーズへ上場するものの、その過程でエンジニアを中心にした自由な雰囲気を目指していた当初の方向性と違った方向に会社が変わっていくのを目にし、取締役社長の座をいったん降りることになりました。
ただその際も、(IT企業の創業者としては珍しく?)さくらインターネットを離れることはせず、副社長兼エンジニアとして会社に関わり続けていました。
転機が訪れたのは、インターネットバブルの崩壊とオンラインゲーム事業の不振により、債務超過に陥ったときです。田中氏は再び取締役社長としてその手腕を振るい、本来の事業に集中することで会社の立て直しを行いました。
現在は、会社を安定的に成長させているだけではなく、仕事が終われば定時の30分前に帰宅することができるなど、非常にユニークな社内の制度改革などをも行い、ユーザーだけではなく、会社で働く人たちにもかつて田中氏自身が望んでいた自由な職場環境を作り上げることに成功しています。
さくらインターネットのコーポレートロゴも刷新
20周年を機に、会社のコーポレートロゴも以下のように刷新されました。
<旧ロゴ>
<新ロゴ>
このロゴマークは、流れに浮かぶ「二片のさくらの花びら」をモチーフとし、SAKURAの “ S ” を象っているのと同時に、手を繋ぐように向かい合う二片の花びらには、お客様とともに、という想いも込められています。
また、ロゴマークだけではなく、社名の英語表記も「Internet」から小文字の「internet」に変わっています。
これは、人々にとって特別なものとして大文字で表してきた “ Internet ” を、これからはよりすべての人に身近で当たり前の存在としての “ internet ” になっていく、という想いが込められているそうです。
さくらインターネットの社会活動と今後
さくらインターネットは、現在共用サーバー~クラウドなどの従来のサービスだけではなく、通信環境とデータの保存や処理システムを一体型で提供する「IoT Platform」など、新しい技術にも積極的に事業を拡大しています。
また、「子供向けプログラミング教室」をはじめとする様々なイベントなどの社会活動を、首都圏のみではなく、北海道や九州などの地方都市でも積極的に行っています。
レンタルサーバー業界で、こういった直接業績に結び付かない活動を行っているところは珍しいですが、これもさくらインターネットの自由な社風がなせる業なのかもしれません。
もちろん、当サイトで紹介している共用サーバーも、随時サーバーのスペックアップや新サービスの提供なども怠りなく行ってくれています。
老舗ながら、非常に活発な活動を行っている「さくらインターネット」から今後も目が離せませんね。
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