独自ドメインは取得時に料金が発生するだけではなく、1~2年おきに更新が発生しますので、その際に更新料が発生します。そして、この更新料はその登録会社(リセラーやレジストラ)により料金が大きく異なります。
また、レンタルサーバーと一緒に申し込んで無料だったけれど、2年目以降は料金が発生するのでもっと安い会社に変更したい、ということもあると思います。
独自ドメインを取得した登録会社を引っ越しすることは可能ですが、それに応じた手続きが必要で、それなりの時間や手間がかかります。
ここでは独自ドメインの管理会社を引っ越し(独自ドメインの移管)する場合に必要な手続きやその流れを説明します。
独自ドメインの移管
一般的に独自ドメインの管理会社の引っ越しをすることを、「ドメインの移管」と言います。
厳密にはドメインを登録しているレジストラを変更することを「移管」と言いますので、リセラー自体が変わってもレジストラが変わらなければ移管にはなりませんが、一般的には管理会社を変えることも移管と呼んでいます。
レジストリはそれぞれのドメイン対して1組織しかありませんが、レジストラは複数あります。そのため、レジストリを移動するには、それなりの手続きが必要です。
また、管理会社によっては、ドメインの移管時に手数料をとるところもありますので、事前にチェックしておきましょう。
独自ドメインの引っ越しの流れ
独自ドメインを引っ越しする際に行う一般的な流れについて、以下に説明します。
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<移管元の管理会社での作業>
1.「Whois情報公開代行」を行ってもらっている場合、Whois情報の一部を自分の情報に書き換える
2.設定画面などで、認証コード(AuthCode ・Authinfo ・EPPkey)を確認
<移管先の管理会社での作業>
3.ユーザー登録をしていない場合は、実施する
4.ドメイン移管の手続きを行う
<移管先の管理会社・レジストラ>
5.自社が提携しているレジストラにドメインの移管申請を行う
6.Whois情報をもとに移管希望のドメイン管理者(ユーザー)のメールアドレスあてに移管手続きの通知メールを送信する
<ユーザーが行う作業>
7.移管手続きのメールに書かれている内容に沿って手続きを行う(メール本文に書かれているURLをクリックするなど、それほど複雑ではない)
<移管先のレジストラ>
8.移管先のレジストラが移管元の管理会社に移管申請がされたことを通知
<移管元の管理会社>
9.ドメインの管理者にドメインの移管申請が行われたことを通知(基本的にアクションは不要)
10.移管先のレジストリにドメイン移管を通知
<移管先のレジストラ>
11.移管先の管理会社にドメインが移管された旨を通知
<移管先の管理会社>
12.移管先の管理会社からドメインの管理者(ユーザー)に移管が完了した旨を通知
<ユーザーが行う作業>
13.ドメインの更新料(移管料)を支払う(※先に支払いが必要な場合もあり)
14.Whois情報を公開代行情報に書き換える
15.ネームサーバーを変更する
ユーザー側が行う必要がある作業はそう多くはありませんが、以上のようにいくつもの組織が関わっていますので、それなりに複雑ですし、時間もかかります。数日から数週間かかる場合がありますので、余裕をもって作業を行う必要があります。
なお、「.jp」ドメインなどは移管方法が異なっていたり、マイナーなドメインの場合は移管自体できないケースもありますので、不明点は管理会社に確認しましょう。
独自ドメイン移管時の注意点
上記のように独自ドメインを移管するには様々な手続きが必要です。また、それに伴い様々な条件があります。
以下に一般的に要求される条件を挙げてみます。期限などは会社により異なりますので、早めに確認しておいたほうがいいでしょう。
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・ドメインの期限が切れている場合
・ドメインの期限が14日以内の場合(期限の月内でNGの場合や7日以上あればOKのケースもある)
・ドメイン移管後60日が経過していない場合
・現在の管理会社が移管を認めていない場合(またはレジストリロックをかけている場合)
・有効期間が9年を超えている場合(移管によって期限が追加されると、最大契約期間である10年を超えるため)
なお、ドメインの移管をすると1年期限が延長されることがありますが、前回の移管後、45日以内に移管申請を行った場合は、期限延長はされないことがあります。1年分ドメイン費用を節約できるところもったいないですね。
ドメインの移管は、期限が近づいてから考えがちですが、このようになかなか条件が厳しいため、かなり余裕をもって手続きを行う必要があります。
面倒くさがってずるずる先延ばしにしていた結果、移管できなくなるケースも非常に多いため、移管に関しては事前にこういった知識は得ておき、早めに行動したいものです。