レンタルサーバー heteml(ヘテムル)が人気である理由の一つは、余ったサーバーの領域をオンラインストレージやファイルサーバーとして、パソコンのフォルダ感覚でファイルの保存を簡単に行える「WebDAV(ウェブダブ)機能」を利用できることです。
同じ GMO ペパボ株式会社が提供している「ロリポップ!」も、同じ WebDAV 機能を利用できるのですが、ロリポップ!の場合は外部からアクセス可能な領域にしか保存ができないため、きちんと設定を行わないと非常に危険です。(しかも、この手順を案内しているサイトも、現時点では当サイト以外にはありません)
・ロリポップ!のWebDAVで安全にファイルを保存する全手順を解説
しかし、heteml の場合、外部からアクセスできない「非公開領域」に安全ファイルを保存でき、さらに必要な領域だけにアクセスできる別アカウントを作成して、他の人と安全にファイルの共有や受け渡しをすることも可能です。
ここでは、その heteml で WebDAV 機能を利用するための設定方法と、別アカウントを作成して、他のユーザーとファイルをやり取りできるようにする方法を紹介したいと思います。
なお、WebDAV の設定手順は Windows での手順を紹介します。Mac の場合は heteml(ヘテムル) のヘルプを参考にしてください。
A. メインアカウントでのWebDAV設定手順
まず、メインアカウントでの WebDAV 設定を作成する手順を説明します。
この設定を行うと、Web サーバー内のすべてのディレクトリ(※)にアクセスできるようになります。つまり、自分がアップロードした Web サイトなどの領域にも入れてしまうので、基本的には管理者以外は使用しないようにしましょう。
サブアカウントの作り方を知りたい方は、こちらをクリックしてください。
※以下にも同様に、「ディレクトリ」という言葉が何度も出てきますが、これは「サーバー内のフォルダ」のことを指すと考えてください。
A-1. FTP アカウント情報を確認
heteml の「コントロールパネル」にログインし、右のメニューから「FTP アカウント」をクリックします。
A-2. WebDAV を有効にする
「WebDAV」のタブをクリックし、WebDAV の項目にある「有効」にチェックを入れます。
確認画面が表示されたら、「OK」をクリックします。
A-3. WebDAV の設定内容を確認する
「サーバー情報」の項目にある以下の 2つを確認し、メモしておきます。
- ユーザー名:WebDAV のアカウント名
- WebDAV アドレス:WebDAV でアクセスするときに必要な URL
※ユーザー名とパスワードは、heteml の申し込みメールに記載があります。(初期状態では、heteml 申し込み時に入力したアカウント名とパスワードと同じ)
A-4. パソコンに WebDAV の設定をする
WebDAV でアクセスできるように設定を行います。エクスプローラーなどで、「PC」の項目を開きます。
「デバイスとドライブ」の何もない部分を右クリックし、「ネットワークの場所を追加する」をクリックするか、上の「コンピューター」タブの「ネットワークの場所の追加」をクリックします。
A-5. ネットワークの場所の追加ウィザードの開始
「ネットワークの場所の追加ウィザードの開始」画面で、「次へ」をクリックします。
A-6. ネットワークの場所の追加
「ネットワークの場所の追加」画面で、「カスタムのネットワークの場所を選択」をクリックするか、それが選択された状態で「次へ」をクリックします。
A-7. インターネットまたはネットワークのアドレスを入力
「Web サイトの場所を指定してください」画面の「インターネットまたはネットワークのアドレス」欄に、コントロールパネルで確認した、WebDAV の URL を入力し、「次へ」をクリックします。
A-8. WebDAV の認証情報を入力
「Windows セキュリティ」の画面が表示されたら、コントロールパネルで確認した以下の情報を入力して、「OK」をクリックします。
- ユーザー名:FTP アカウント
- パスワード:FTP パスワード
※「資格情報を記憶する」にチェックを入れると、毎回上の情報を入力しなくてもログインできるようになります
A-9. WebDAV へアクセスするアイコン名を入力
次の画面で、WebDAV でアクセスするアイコンの名前を付けます。名前は任意なので、わかりやすいものを付けて(ここでは「heteml-WebDAV」としています)、「次へ」をクリックします。
A-10. ネットワークの場所の追加ウィザードの完了
「ネットワークの場所の追加ウィザードの完了」が表示されたら、「完了」をクリックします。
A-11. WebDAV でサーバーにアクセス
フォルダが開き、heteml のサーバーにアクセスします。
こちらで詳しく説明しますが、このメインアカウントでは、「ルートディレクトリ(ユーザーがアクセス可能な、サーバー内の最上位のディレクトリ)」にアクセスしますので、Web サイトの情報が含まれる「Web」というディレクトリも見えています。
この「Web ディレクトリ」内にファイルを保存すると、外部からアクセスできてしまいますので、この中には公開しても問題ない Web 関連のファイル以外を保存しないようにしましょう。
もし、ファイルを保存したい場合は、この中にディレクトリ(フォルダ)を新たに作成して、その中に保存します。「Web」ディレクトリ配下以外は、外部からアクセスできない「非公開領域」になっていますので、どこに保存しても安全です。
ディレクトリの作成方法は、通常の Windows のフォルダの作成方法と同じです(画面の何もない部分を右クリック→「新規作成」→「フォルダー」)。また、ファイルを保存するときも、普通にドラッグ&ドロップするだけで保存できます。
続いて、今後デスクトップから簡単にアクセスできるように、デスクトップにショートカットを作成します。
A-12. ショートカットの作成
エクスプローラーなどから「PC」の項目を開くと、「ネットワークの場所」に作成した heteml へアクセスできるアイコンが表示されています。このアイコンをダブルクリックすると、サーバーへアクセスできるようになっています。
このアイコンを右クリックし、「送る」-「デスクトップ(ショートカットを作成)」をクリックします。
A-13. デスクトップ上のショートカット
デスクトップにショートカットが作成されました。このショートカットを開くと、そのままサーバーへアクセスできるようになりますので、普段使用するときはこちらを開いてファイルを保存するといいでしょう。
自分一人で使用する場合は、以上の方法で設定すれば OK です。
もし、会社の同僚や外部の人とファイルの共有や受け渡しをする場合には、引き続き、次の設定を行います。
B. サブアカウントでの WebDAV 設定手順
次に、サブアカウントを作成して、他のユーザーとファイルの共有や受け渡しをする方法を説明します。
上で説明したメインアカウントでは、契約しているサーバー領域すべてにアクセスできます。そのため、このアカウントを他の人に共有してしまうと、誤って Webサイトを消されてしまったり、見られたくないファイルにアクセスされてしまう可能性があります。
そのため、特定のディレクトリだけにアクセスできるサブアカウントを作成し、共有したいファイルだけを受け渡しできるように設定をします。
heteml では、「WebDAV のアカウント」は「FTP アカウント」と同一です。WebDAV のサブアカウントを作るために、以下の手順で 「サブ FTP アカウント」を作成します。
B-1. コントロールパネルにログイン
heteml の「コントロールパネル」にログインし、右のメニューから「FTP アカウント」をクリックします。
B-2. サブ FTP アカウントを作成
サブ FTP アカウントの項目にある、「サブFTPアカウントを作成する」をクリックします。
B-3. サブ FTP アカウントの設定を入力
以下を入力して、「新規作成」をクリックします。(ここでは佐藤さん用のアカウントとして「sato」と入力しています。)
- ユーザー名:任意の文字
- パスワード:FTP パスワード
- ログインフォルダ:ユーザー名と同じものが自動的に入力され、これがディレクトリ名にもなります
- WebDAV:有効にチェック
確認画面が出たら、「OK」をクリックします。
B-4. WebDAV の設定を確認する
アカウント作成ができたら、「WebDAV」タブの以下の情報をメモしておきます。
- ユーザー名:「(メインアカウント名)_(サブアカウント名)」の形
- WebDAV アドレス:WebDAV でアクセスするときに必要な URL
以下、パソコンに WebDAV の設定~ショートカットの作成を行うまでの手順は、こちらのメインアカウントの手順と同じです。
※アカウント名には、サブアカウントの「(メインアカウント名)_(サブアカウント名)」を間違えなく入れるようにしましょう。
C. メインアカウントとサブアカウントとの使い分け方
これまで説明した内容で、おおむね理解できていると思いますが、念のため、メインアカウントとサブアカウントの使い分け方を簡単に説明しておきます。
上の図のように、メインアカウントでは Webサイトのデータが保存される「Web」ディレクトリ以外にも、契約したユーザーが利用できるすべての領域にアクセスができます。
一方、サブアカウント(上の図の「佐藤さん用アカウント」)では、「B-3」のサブアカウント作成時に設定したディレクトリ(ここでは「sato」ディレクトリ)の配下以外にはアクセスできません。そのため、サブアカウントで WebDAV にログインしても、「Web」ディレクトリなどにはアクセスできないことになります。
また、さらに別のサブアカウント(上の図の「鈴木さん用アカウント」)を作成した場合は、同様に「suzuki」ディレクトリ以外にはアクセスできません。
そのため、佐藤さんは鈴木さんに共有しているファイルは見れませんし、逆も同様です。逆にメインアカウントは佐藤さん、鈴木さんのどちらのディレクトリにもアクセスできるので、二人にそれぞれファイルを共有することが可能です。
以上のように、自分はメインアカウントで WebDAV の設定を行い、ファイルの共有をしたい相手には、それぞれ専用のサブ FTP アカウントを作成し、そのアカウントで各自のパソコンに設定を行ってもらえばいいわけです。
もちろん、佐藤さんと鈴木さんが同一のファイルを共有しても問題ない状態なら、サブアカウントは二人とも同じものを使用してもらってもいいですし、サブアカウント自体は別々に作成して、サブアカウントの設定時に「ログインフォルダ」を同じディレクトリにしても OK です。
まとめ
以上のように、heteml では WebDAV 機能の 3つのメリットをすべて享受できます。
- WebDAV の設定が簡単
- 非公開領域で安全にファイルを保管できる
- サブアカウントでファイルの共有を行える
これだけでも heteml は、2~3つ目が使えない「ロリポップ!」よりも十分にメリットが大きいのですが、heteml はサーバー自体のパフォーマンスもトップレベルで、安定性が非常に高い+WordPress の表示も速いため、ネットビジネス用として利用するにはピッタリのレンタルサーバーです。
レンタルサーバーの中では、長めの15日間のお試し期間もありますので、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。