サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較【2021年版】

サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較【2021年版】

年々、検索エンジンでの評価におけるWebサイトの表示速度の重要性が増してきています。

検索の最大手である Google は「Webサイトの表示速度が重要な理由」として、以下のような情報を挙げています。

ページの読み込みに時間がかかると、直帰率に深刻な影響を及ぼします。具体的には:
・ページの読み込み時間が 1 秒から 3 秒に増加すると、直帰率は 32% 増加します。
・ページの読み込み時間が 1 秒から 6 秒に増加すると、直帰率は 106% 増加します。
・遅いと判断されたページは、Google 検索のランキングが下がる可能性があります。

https://support.google.com/webmasters/answer/9205520?hl=ja

表示速度に関しては、速いレンタルサーバーを選択するだけでクリアできる部分も多いです。

そこで、例年通り、当サイトで紹介している各レンタルサーバーに、現在世界で最も利用されている CMS(コンテンツマネジメントシステム)である WordPress を設置し、その表示速度をツールで測定・比較しました。

WordPress の表示速度調査実施概要

WordPress サイトの表示速度を調査するため、monitis というサービスを利用しました。

monitis はサーバーをモニタリングするための数多くのサービスを提供していますが、ここでは FullpageLoad という、ユーザーが実際にサイトの表示を行うのと同様の環境でサイトの読み込み完了までの時間をチェックできる機能を使用しています。

この機能で測定した、各サーバーにおける WordPress サイトの表示速度を比較します。

WordPress は、デザイン情報である「テーマ」、コンテンツ情報を含む「データベース」、画像などのデータを総合管理できるシステムですが、ユーザーからサイトを表示するリクエストがあるたびに、それらのデータを集め、サイトを構築し、データを送り返すという仕組みになっています。

そのため、サイトデータを送り返す Webサーバーだけではなく、WordPress を構成する言語である PHP やデータベースサーバーのパフォーマンスを含めた、レンタルサーバーの総合力が試されるシステムとも言えます。

そういう意味でも、WordPress の表示速度をチェックすることは、サーバーの真の実力を知ることにもつながる、と言っても過言ではないでしょう

測定条件の詳細

今回測定を行った環境や条件ですが、すべてのサーバーに全く同じ内容の WordPress サイトを構築しています。

以下が、その詳細条件です。

WordPress のバージョン ver.5.3~5.5.3
WordPress のテーマ Twenty Twenty
WordPress プラグイン WP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly
PHPのバージョンと動作モード 各サーバーで自動的に設定されるバージョンとモードを使用
(機能が随時アップデートされ変更されているため)
コンテンツ内容 WPテーマユニットテスト
(すべてのコンテンツをトップページに表示した状態)
測定ツール monitis
測定元サーバー(東京・新宿)
測定期間 個人向け:各7日間のチェックを6か月間(2020年7月~12月実施)
法人向け:各10日間のチェック(2020年12月末実施)
測定内容 WordPress サイトの表示速度
(20分ごとに計測を実施)
測定状況の流れ 日本国内のサーバーから Webサイトの表示を要求し、サイトデータの取得完了までの時間を計測
測定用ブラウザは Google Chrome を使用
コンテンツ内の特定の文字列が取得できるかもチェック

これまで可能な限り同じ条件で比較をするようにしていましたが、長期間に渡り複数のサーバーを調査することにしたため、PHP のバージョンなどを同一にするのが難しい状況になりました。

そのため、PHP のバージョンやモードなどの細かい設定については、各サーバーで自動的に設定される初期状態の設定をそのまま使用しています。

プラグインに関しては、WordPress をインストールした際にデフォルトで導入されているもので、特に意味はありません。

コンテンツは、WordPress Codex で提供されている「WPテーマユニットテスト」というデータを利用しています。テキストの量もほどほど、画像や Youtube なども貼り付けられているので、現実のブログなどに近いデータ量になっています。誰でも利用できるコンテンツなので、今回検証した条件を再現することも可能です。

なお、基本的に月額料金が 1,000~2,000円程度のプランを検証の対象としていますが、今回もスターサーバー・ロリポップ!・さくらインターネットに関しては、月額500円台の「スタンダード」プランを使用して検証しています。これは、全プランの中でもユーザー数が一番多いこと、上位プランより性能がいい、という 2つの理由からです。

WordPressサイトの表示速度比較

では、WordPress サイトの表示速度を比較してみましょう。

チェックする項目は「平均表示速度」で、それを元に順位付けしています。当然、「平均表示速度」が速いほど、パフォーマンスの高いサーバーということになります。

最速で表示できた値と最も遅かった値もあわせて掲載していますが、順位付けはわかりやすいように平均表示速度だけを基にしています。

以下にその結果を、個人向けサーバーと法人向けサーバーに分けて掲載します。

個人向けサーバーのWordPress表示速度比較

順位 サーバー名
(プラン名)
平均表示速度(秒)
平均 7月 8月 9月 10月 11月 12月
1 ColorfulBox
(Box2)
0.97 1.15 1.07 0.30 1.09 1.12 1.09
2 ロリポップ!
(ハイスピード)
1.23 1.23 1.27 1.31 1.13 1.35 1.11
3 スターサーバー
(スタンダード)
1.24 1.29 1.27 1.21 1.22 1.26 1.20
4 エックスサーバー
(X10)
1.44 1.26 1.28 1.18 1.29 1.23 2.43
5 ConoHa WING
(ベーシック)
1.48 1.52 1.22 2.51 1.19 1.24 1.18
6 mixhost
(スタンダード)
1.57 1.36 1.58 1.62 1.63 1.60 1.66
7 heteml
(ベーシック)
1.60 1.50 1.44 2.19 1.52 1.41 1.56
8 さくらのレンタルサーバ
(スタンダード)
2.51 3.13 3.39 2.45 2.04 2.02 2.04

※無断転載禁止

トップは、ColorfulBox(カラフルボックス)。これまでもおおむね 3位以内には食い込んでいたサーバーでしたが、平均で 1秒を切るという記録を出して、一気にトップに躍り出ました。

表を見てもらえればわかるように、2020年の9月に 0.3秒という信じられない記録が出ています。あまりにも極端なので、外れ値として抜くことも考えましたが、この月のデータを抜いても順位に変化がなかったため、そのまま入れてあります。

この月の値を抜くと、平均は 1.10秒なので、これがまあ現実的な結果と見てもらえたほうがいいかと思います。

次に大きな変化があったのが、ロリポップ!。昨年までは「スタンダードプラン」を対象としていたのですが、さらにハイスペックで、1000円台クラスの「ハイスピードプラン」がリリースされたため、今年はこちらのプランで計測しています。

昨年の検証でもいい結果が出ていたので期待できると思っていましたが、安定した数値をたたき出して、2位へと上り詰めました。現在は初期費用も無料になり、さらに最低料金が 500円~となったので、ある意味最強のサーバーになりつつあります。

これまで上位だったエックスサーバーや ConoHa WING は、この 2社にあおられて順位低下してしまった感じですが、上位争いがし烈になっただけで、これらのサーバーも十分な実力があります。

今回は特段スペックアップとの話もなかったのですが、スターサーバーも安定したよい数値を出していました。

唯一の 2分台が、さくらのレンタルサーバです。例年下位ではありますが、上位争いが非常に厳しくなっている中、ややマイペース感がありますね。

法人向けサーバーのWordPress表示速度比較

総合順位 サーバー名
(プラン名)
平均表示速度
(秒)
最小値
(秒)
最大値
(秒)
1 エックスサーバービジネス
(B10)
1.15 1.03 1.81
2 WADAX
(TypeB)
1.39 1.09 2.35
3 CPI
(シェアードプラン SV-Basic)
1.54 1.29 3.13
4 iCLUSTA+
(ミニ)
1.80 1.24 6.77

※無断転載禁止

一昨年まで法人向けサーバーは、個人向けのサーバーに比べると全体的に遅めでしたが、昨年の調査から全体的に速度が向上してきており、今回も個人向けと比較しても遜色のない速度が出ています。

特に、まだブレはあるものの、今までかなり遅い印象だった iCLUSTA+(アイクラスタプラス)の成績が非常に良くなってきているので、注目したいところではあります。(もともと、サーバースペックに関しては非公開の関係もあってか、特にスペックアップなどのアナウンスは確認していませんが)

また、エックスサーバー株式会社が提供していた sixcore が提供終了になったため、今回から「エックスサーバービジネス」が参戦しています。

エックスサーバービジネスは、レンタルサーバーシェア No.1 のエックスサーバーと同レベルのサービスに加え、手間がかかるサーバー上の設定などを無料で代行してくれるという、スキル低めの管理者には喉から手が出るほどありがたいサービスを提供してくれています.

サーバーの性能は折り紙付きなので、Web サイトの運営で困っている法人の方は、利用を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回の結果は、長年トップを維持していたエックスサーバーを超え、ColorfulBox とロリポップ!が大躍進する下位となりました。

上位 2社はコスパも非常にいいので、おすすめできるサーバーです。ただ、ColorfulBox はちょっと機能が多いことなどから、初心者にはロリポップ!がおすすめです。

それにしても、昨年も書きましたが、年々各サーバーによる差はなくなってきていますね。このレベルなら、正直どこのサーバーを使っても変わりないようにも思います。

ただ、体感的には若干の差は見られるように感じますし、コンテンツ量が多くなればさらに差がつく可能性はありますので、やはりできるだけ速いサーバーを選ぶほうがいいですね。

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