サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較【2022年版】

サーバー別のWordPress表示速度を独自調査データで比較【2022年版】

年々、検索エンジンでの評価におけるWebサイトの表示速度の重要性が増してきています。

検索の最大手である Google は「Webサイトの表示速度が重要な理由」として、以下のような情報を挙げています。

ページの読み込みに時間がかかると、直帰率に深刻な影響を及ぼします。具体的には:
・ページの読み込み時間が 1 秒から 3 秒に増加すると、直帰率は 32% 増加します。
・ページの読み込み時間が 1 秒から 6 秒に増加すると、直帰率は 106% 増加します。
・遅いと判断されたページは、Google 検索のランキングが下がる可能性があります。

https://support.google.com/webmasters/answer/9205520?hl=ja

表示速度に関しては、より高速なレンタルサーバーを選択するだけでクリアできる部分も多いです。

そこで、例年通り、当サイトで紹介している各レンタルサーバーに、現在世界で最も利用されている CMS(コンテンツマネジメントシステム)である WordPress を設置し、その表示速度をツールで測定・比較しました。

WordPress の表示速度調査実施概要

WordPress サイトの表示速度を調査するため、Site24x7 というサービスを利用しました。
(前年まで利用していた monitis がサービスを終了したため)

Site24x7 はサーバーをモニタリングするための数多くのサービスを提供していますが、ユーザーが実際にサイトの表示を行った場合にサイトの読み込み完了までの時間がどのくらいかかるのかをチェックできる機能を使用しています。
この機能で測定した、各サーバーにおける WordPress サイトの表示速度を比較します。

WordPress は、デザイン情報である「テーマ」、コンテンツ情報を含む「データベース」、画像などのデータを総合管理できるシステムですが、ユーザーからサイトを表示するリクエストがあるたびに、それらのデータを集め、サイトを構築し、データを送り返すという仕組みになっています。

そのため、サイトデータを送り返す Webサーバーだけではなく、WordPress を構成する言語である PHP やデータベースサーバーのパフォーマンスを含めた、レンタルサーバーの総合力が試されるシステムとも言えます。

そういう意味でも、WordPress の表示速度をチェックすることは、サーバーの真の実力を知ることにもつながる、と言っても過言ではないでしょう。

測定条件の詳細

測定を行った環境や条件ですが、すべてのサーバーに全く同じコンテンツを入れた WordPress サイトを構築しています。

以下が、その詳細条件です。

WordPress のバージョン計測時点での最新バージョン(計測中は自動更新無効)
WordPress のテーマTwenty Nineteen など、その年の最新テーマ (TwentyTwenty Twenty)
WordPress プラグインWP Multibyte Patch / Akismet / Hello Dolly
コンテンツ内容WPテーマユニットテスト (すべてのコンテンツをトップページに表示した状態)
測定ツールSite24x7 測定元サーバー(東京)
測定期間個人向け:各7日間のチェックを6か月間(2021年7月~12月実施)
法人向け:各7日間のチェック × 3回 (2021年
4月~12月実施)
測定内容WordPress サイトの表示速度 (20分ごとに計測を実施)
測定状況の詳細日本国内のサーバーから Webサイトの表示を要求し、
サイトデータの 取得完了までの時間を計測
測定用ブラウザーは Google Chrome を使用
コンテンツ内の特定の文字列が取得できるかもチェック

プラグインに関しては、WordPress をインストールした際にデフォルトで導入されていることが多いというだけで特に意味はありません。

コンテンツは、WordPress Codex で提供されている「WPテーマユニットテスト」というデータを利用しています。テキストの量もほどほど、画像や Youtube なども貼り付けられているので、現実のブログなどに近いデータ量になっています。誰でも無料で利用できるコンテンツなので、今回検証した条件を再現することも可能です。

そのため、PHP のバージョンやモードなどの細かい設定については、各サーバーで自動的に設定される初期状態の設定をそのまま使用しています。(以前は統一していましたが、使用できるバージョンが異なっていたり、高速化機能などもバラエティに富んできて統一できないため)

なお、基本的に月額料金が 1,000~2,000円程度のプランを検証の対象としていますが、今回もさくらインターネットだけは、月額500円台の「スタンダード」プランを使用して検証しています。(これは、ちょうど他社と同じ 1,000円レベルのプランがないこと、全プランの中でも「スタンダード」のユーザー数が一番多く、上位プランよりも逆に性能がいい、という理由からです。)

WordPressサイトの表示速度比較

では、WordPress サイトの表示速度を比較してみましょう。

チェックする項目は「平均表示速度」で、それを元に順位付けしています。当然、「平均表示速度」が速いほど、パフォーマンスの高いサーバーということになります。

以下にその結果を、個人向けサーバーと法人向けサーバーに分けて掲載します。

個人向けサーバーのWordPress表示速度比較

個人向けサーバーは、昨年に続き ColorfulBox とロリポップ!がツートップ!残りはさくらのレンタルサーバを除き、ほぼ同レベル

順位サーバー名
(プラン名)
平均(秒)7月8月9月10月11月12月
1位ColorfulBox(BOX2) 3.62(3.615)3.434.182.753.873.493.97
2位ロリポップ!(ハイスピード)3.62(3.621)3.422.952.904.414.113.94
3位エックスサーバー(スタンダード)3.853.234.662.764.334.133.98
4位heteml(ベーシック)3.913.833.423.114.644.254.21
5位mixhost(スタンダード)3.983.685.102.804.324.093.91
6位ConoHa WING(ベーシック)4.013.435.322.884.404.043.97
7位スターサーバー(ハイスピード)4.183.284.784.544.434.083.97
8位さくらのレンタルサーバ(スタンダード)5.024.974.674.355.725.355.03
平均4.023.664.393.264.524.194.12
※無断転載禁止
※単位はすべて「秒」

トップは、ColorfulBox(カラフルボックス)。サービスリリース移行、おおむね 3位以内には食い込んでいたサーバーでしたが、昨年に続いて 1位を維持しました。

2位も昨年に続いて、ロリポップ!。「ハイスピード」プランと言う大胆な名前で 2020年に新規リリースしたサービスですが、今回はトップとの差はわずか「0.006秒」と 1位と同格の結果で、その名称は伊達ではないようです。

そして、昨年はやや振るわなかったエックスサーバーが、3位へと上昇。2021年末には、(初音ミクっぽい(?)キャラでおなじみの)超高速環境「KUSANAGI」技術を導入するなど、高速化への手は決して緩めていませんので、今後にも期待したいと思います。

この 3位以下の エックスサーバー、heteml、mixhost、ConoHa WING は、ほぼ団子状態でいつ入れ替わってもおかしくはない状況です。ただ、mixhost と ConoHa WING は 5分台も見えるのがちょっと気になりますね。

7位のスターサーバー、全体的に上下動の少ない結果でしたが、9月以降はロリポップ!に対抗してリリースした「ハイスピード」プランにて測定しています。大きく目立った結果は出ていませんが、今後の状況も見守ってみたいと思います。

ラストは未だ唯一記憶領域に SSD ではなく HDD を使用している、さくらのレンタルサーバです。例年下位ではありますが、5分台が3回出ているので、残念ながら、当然の結果と言えるでしょう。

法人向けサーバーのWordPress表示速度比較

法人向けサーバーもレベルが安定し、個人向けサーバーの平均レベルへ 全体的には目立った差が見られない状況に

順位サーバー名
(プラン名)
平均4月6月8月
1位WADAX(TypeS)3.913.043.465.22
2位iCLUSTA+(ミニ)4.123.073.905.38
3位エックスサーバービジネス(スタンダード)4.204.173.375.06
4位CPI(SV-Basic) 4.464.733.635.01
平均4.173.753.595.17
※無断転載禁止
※単位はすべて「秒」

以前は全体的に遅めだった、法人向けサーバーも個人向けサーバーと比較しても遜色がなくなってきました。4社とも個人向けの 3位~7位くらいのレベルに落ち着いており、一応順位付けは行ってはいますが、割とどんぐりの背比べと言えるでしょう。

法人の場合、どちらかというと表示速度を求める会社よりも安定性やセキュリティを求めているところのほうが多いと思いますので、このくらいのレベルを維持できているのであればどこの会社を利用しても問題はなさそうです。

そのため、法人向けのサーバーの場合は、より自社の実現したい機能があるか、管理者の稼働が取れるかなどを重視して見ていくほうがいいですね。

まとめ

昨年に続き、表示速度では ColorfulBoxロリポップ!がトップを維持する結果になりました。

上位 2社はコスパも非常にいいので、おすすめできるサーバーです。ただ、ColorfulBox はちょっと機能が多いことなどから、完全な初心者なら ロリポップ! のほうがおすすめです。

それにしても、昨年も書きましたが、年々各サーバーによる差はなくなってきていますね。このレベルなら、正直どこのサーバーを使っても変わりないようにも思いますが、体感的には実際に操作や表示している際の若干の差は感じますし、コンテンツ量が多くなればさらに差がつく可能性はありますので、やはりできるだけ速いサーバーを選ぶほうがいいでしょう。

個人向けのおすすめレンタルサーバーは「ロリポップ!」

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パフォーマンス4.8
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サービス4.0

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「ロリポップ!」の検証・評価&レビュー

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