「スターサーバー」のパフォーマンスを旧プラン(ミニバード~クローバー)と徹底検証比較!

「スターサーバー」のパフォーマンスを旧プラン(ミニバード~クローバー)と徹底検証比較!

ミニバードやファイヤバード、クローバーなどの共用サーバーを提供しているネットオウルが、新たに「スターサーバー」をリリースしました。

前回の記事では、そのスターサーバーの特徴や、既存のサービスとの違い、実際の使い勝手などについて、詳しく紹介しました。

今回は、スターサーバーの実際のパフォーマンスを、各種のツールを使用して計測し、旧プランと比較してみたいと思います。

※2017年9月6日に仮想CPUコア数が増強され、パフォーマンスにも大きな変化がありました。
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スターサーバーのパフォーマンスをベンチマークツールでチェック

では、早速スターサーバーとネットオウルの旧サービスのパフォーマンスをツールでチェックし、どのくらい変化があるかを比較していきます。

今回チェックするのは、ネットビジネス向けのサーバーにとって最も重要な「安定性」「表示速度」の 2点です。

まずは、Webサーバーの安定性のデータから見ていきましょう。

Webサーバーの安定性

Webサーバーが安定してサイトを表示しているかをチェックするために、サーバーの死活監視を行える Montis というサービスで、HTTP リクエスト(Webサイトの表示をするためにブラウザとサーバー間で行うやりとり)のモニタリングをしました。

1分毎のリクエストを 7日間実施して取得したデータの中から、「最速の応答速度」「平均応答速度」「応答なしの回数」の 3つをそれぞれ比較してみます。

最速の応答速度と平均応答速度は、リクエストに対して Webサーバーから応答が返ってくるまでの速度のことで、ともに単位は「ミリ秒」、数値が低いほうが速く応答を返せているのでよいサーバーということになります。

また、応答なしの回数は、リクエストに対して応答が返らなかったり、応答が遅くなったためにタイムアウト扱いになってしまったものの回数で、回数がゼロに近いほど安定していることを意味しています。

表は左がネットオウルの旧プラン(ウェブクロウ~クローバー)、右が新たにリリースしたスターサーバーの各プランのデータで、同価格帯で対応するプラン毎に比較する形になっています。

間にある「差分」=「旧サーバー」-「スターサーバー」、つまりスターサーバーがどれだけパフォーマンスがアップしているかを示すものです。(差分の数値がプラスならスターサーバーが上、マイナスなら旧プランが上)

なお、webcrow とエコノミープランで大きな差が出ていますが、これは webcrow が WordPressサイトなのに対し、エコノミープランはデータベースが使えないため HTML サイトになっていることが原因です。(HTMLサイトはCMSやデータベースが絡まない分、一般的に表示は速い)結果的に大きな差が出ていますが、ここは条件が異なっているため、あくまで参考程度としてください。

最速の応答速度

旧プラン 最速 差分 最速 スターサーバー
webcrow 160 135 25 エコノミー
minibird 162 39 123 ライト
firebird 149 35 114 スタンダード
clouver 144 23 121 プレミアム
115 ビジネス

平均応答速度

旧プラン 平均応答速度 差分 平均応答速度 スターサーバー
webcrow 357 321 36 エコノミー
minibird 248 6 242 ライト
firebird 275 33 242 スタンダード
clouver 309 -72 381 プレミアム
257 ビジネス

応答なしの回数

旧プラン 応答なし回数 差分 応答なし回数 スターサーバー
webcrow 22 22 0 エコノミー
minibird 0 -4 4 ライト
firebird 1 1 0 スタンダード
clouver 3 1 2 プレミアム
0 ビジネス

まず、応答速度に関しては、平均応答速度で新しいプレミアムプランより旧クローバーのほうが良い数値がでているのを除いて、全体的にスターサーバーのほうが応答速度が速くなっています。

また、応答なしの回数に関しては、(webcrow を除き)新旧どちらも回数自体多くはないこともあり、おおむね同程度か、スターサーバーのほうがやや安定しているように見えます。

安定性は同程度だとしても、応答速度は明らかにスターサーバーのほうがよくなっていますので、安定性に関してはスターサーバーが上と見てよさそうです。

WordPress サイトによる表示速度

次に、WordPress で作成した Webサイトの表示速度を見てみましょう。

サイトの表示速度の測定は、他の検証でも利用していますが、サイト速度のパフォーマンスを確認できる GTmetrix にて行っています。

測定サイトの条件

  • WordPress でサイトを作成
  • 測定用の WordPressサイトの内容は、約3,000文字+画像1枚
  • PHP のバージョン 5.6 と 7.0 で表示速度を測定、その平均速度を確認
  • 平日の9:00~24:00 の間で、2~3時間おきに合計 7回実施

上の条件で計測した結果を、PHP のバージョンごとにまとめました。左が旧サービス、右がスターサーバーの各プランなのは安定性の表と同じです。

表の数値はサイトの表示に要した速度で、単位は「秒」、間の「差分」は新旧サービスの速度差です。(差分=「旧プラン」-「スターサーバー」のため、プラスならスターサーバーが速い、マイナスなら旧プランが速いことになります)

なお、webcrow(WordPressサイト)とエントリープラン(HTMLサイト)の関係も上と同様のため、参考にとどめてください。

PHP 5.6

平均表示速度 差分 平均表示速度
webcrow 3.3 0.90 2.4 エコノミー
minibird 2.6 -1.50 4.0 ライト
firebird 2.5 -1.90 4.4 スタンダード
clouver 2.3 -1.60 3.8 プレミアム
3.9 ビジネス

PHP 7.0

平均値 差分 平均表示速度
webcrow 3.6 3.60 エコノミー
minibird 2.8 -1.40 4.2 ライト
firebird 2.0 -1.60 3.6 スタンダード
clouver 2.2 -1.80 4.0 プレミアム
3.6 ビジネス

結果的には、スターサーバーのほうが全体的に表示速度が遅くなっています。

測定はサービスリリースの翌日にあたる 2017/8/8 に実施しています。ただ、リリース直後ということもあり、サーバーの設定等で込み合っているなどで、スターサーバーがサーバーの負荷が高く、表示速度に影響がでた可能性もあるかと考えました。

そこで、翌週にもチェックしてみたのですが、プランによっては速度が結構上がったものがある一方、若干遅くなるようなプランも見られました。トータルでは初回の測定とさほど変わらない結果になったため、初回の数値をそのままアップしました。

ただ、PHP7.0 では、PHP5.6 よりも速度差が若干縮まっているため、PHP7 ではスターサーバーのパフォーマンスは良くなりそうです。

まとめ

以上、今回新たにリリースした「スターサーバー」のパフォーマンスについて、検証を行い、チェックしてみました。

簡単にまとめると、現時点では、安定性は同程度かスターサーバーがやや向上、表示速度に関してはスターサーバーが遅くなっているといった結論になりました。

なお、他の検証でも実施している、PHP Benchmark や PHPspeed、ApacheBench などのベンチマークも実施しました。結果としては、PHP が絡むパフォーマンスはスターサーバーではかなりいい数値が出ましたが、それ以外は旧プランと大きく異なる数字はでませんでした。

今回サーバーのスペック自体が向上しているため、それが PHP のパフォーマンスを上げる結果に結びついたのかもしれません。ただ、上記の通り表示速度の向上にはつながらなかったため、煩雑にならないようあえて掲載するのを控えました。

サイトの表示速度に関しては、旧プランより遅くなってしまい、やや残念な感じになりましたが、まだリリースされたばかりということもありますし、上に書いた通り PHP のパフォーマンスに関しては向上していますので、今後よくなっていくことは十分期待できます。

また、何よりも無料の独自SSL(Let’s Encrypt)が利用できたり、即時プラン変更ができるようになるなど、スターサーバーのサービスにおけるメリットも非常に大きいので、十分魅力的なサーバーと言えるでしょう。

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