パーマリンクのSEOへの効果や影響|効果を発揮するURLの設定方法や注意点を紹介
Webサイトを運用する際は、記事ページを作り込んだりデザインを整えたりする以外に、パーマリンクを正しく設定することが重要です。
パーマリンクの設定一つで、Webサイト運用が簡単にも難しくもなります。他にも、パーマリンクを適切に設定していないことが原因で、SEOの評価へ間接的に悪影響を及ぼすことも少なくありません。
本記事では、パーマリンクの基礎知識から設定するメリット・デメリット、WordPressでパーマリンクを設定する方法、Webサイトに合ったパーマリンクの決め方を解説します。
パーマリンクのSEOへの影響など基礎知識を解説
Webサイトを運用する際は、記事ページを作り込んだあとに適切なパーマリンクを設置することが大切です。ここでは、次の項目に分けてパーマリンクの基礎情報を紹介します。
パーマリンクについて理解し、適切にWebサイト運用ができる状態にしましょう。
パーマリンクとは
パーマリンクとは、特定の記事ページに設定するURLのことです。「https://ドメイン/カテゴリ/××」というパーマリンクがある場合は「××」の部分を個別に設定し、他の記事ページとの棲み分けを行います。
「××」の部分には、記事ページで狙うキーワードを英数字で設定することが一般的です。他には、日付・投稿名などでパーマリンクを設定する場合もあります。
WordPressを使用しているWebサイトの場合は、数字や日付、記事タイトルがパーマリンクとして初期設定されます。
パーマリンクとSEOとの関係(効果・影響)
パーマリンクを設定したからといっても、直接的にSEOの評価につながるわけではありません。しかし、間接的にはSEOの評価に関係すると考えられているため、自動生成されたパーマリンクを使うことは控えるべきです。
自動生成されたパーマリンクの場合、ユーザーはURLを見るだけで記事ページの内容をイメージできません。クローラーも同様に、文字が羅列されたパーマリンクの記事ページを認識することは困難です。
結果、ユーザーに記事を開いてもらえなかったりクローラビリティが低下したりする恐れがあるため、パーマリンクの設定は間接的にSEOの評価につながると考えられています。
実際に「Google検索セントラル」では、URL構造に対して次のように述べています。
サイトの URL構造はできる限りシンプルにします。論理的かつ人間が理解できる方法で URL を構成できるよう、コンテンツを分類します。
可能な場合は、長い ID ではなく意味のある単語を URL に使用します。
引用:Google検索セントラル「シンプルな URL 構造を維持する」
パーマリンクに対策キーワードを盛り込むことで、ユーザーとクローラーが理解しやすいURLになります。
パーマリンクとスラッグの違い
パーマリンクと関連性の高い用語としてスラッグがあります。スラッグとは、URLのなかでも自由に設定できる部分のことを指します。
パーマリンクとスラッグには、「URLの全体を指すのか」「URLの一部を指すのか」という部分に違いがあるだけです。
「https://ドメイン/カテゴリ/××」というURLがある場合、カテゴリ以降の部分がスラッグに該当します。一方でパーマリンクは「https://〜××」のURL全体です。
スラッグを設定せずに記事ページを公開すると、ドメイン以降のURLがデフォルトで割り振られたID番号になります。
ID番号をそのまま使う場合、ユーザーとクローラーのどちらもURLだけで記事ページの内容を把握できません。SEO面で悪影響を及ぼす恐れがあるため、ユーザーとクローラーが理解できるスラッグを設定しましょう。
パーマリンクを初期段階で設定するSEO面でのメリット
パーマリンクを初期段階で設定するSEO面でのメリットは次の2つです。
以下では、各メリットの内容を詳しく紹介します。
読者(ユーザー)に記事の概要を認識してもらいやすい
パーマリンクを適切に設定することで、読者(ユーザー)に記事ページの概要を認識してもらいやすくなるというメリットがあります。
近年のSEOでは、コンテンツの質に加えてWebサイトの使いやすさが重要です。なお、Webサイトの使いやすさは専門用語で「ユーザービリティ」と呼ばれています。
パーマリンクの設定そのものに直接的なSEO効果はありませんが、わかりやすいパーマリンクを設定するとユーザーの利便性がよくなります。結果、サイトの使いやすさが向上し、間接的にSEOの評価を高めることが可能です。
ユーザーとクローラーのどちらにも優しいコンテンツに仕上げるために、適切なパーマリンクを設定することが大切です。
端的にパーマリンクが設定されていることで被リンク獲得の機会損失を防ぐことができる
パーマリンクを端的に設定すると、被リンク獲得の機会損失を防げるというメリットがあります。
WordPressなどで自動生成されるパーマリンクの場合、複雑な文字列になることがほとんどです。複雑なパーマリンクでは、コピーミスなどで外部リンク(被リンク)を獲得する機会の損失につながる恐れがあります。
外部のサイトでパーマリンクを掲載してもらったとしても、間違ったURLでは被リンクの効果を得られません。SEO対策の妨げとなるため、パーマリンクは端的に設定しましょう。
パーマリンク設定時のSEO面での注意点・デメリット
パーマリンクの設定を初期段階で行わない場合、下記のようなデメリットが生じます。
パーマリンクを後から設定するとデメリットになる部分が多いため、必ず初期段階で設定してください。ここからは、パーマリンクを記事ページ公開後に変更するデメリットを3つ紹介します。
WordPressなどパーマリンクを後から変更するとSEOに悪影響が出る
WordPressなどのパーマリンクを後から変更するとSEOに悪影響が出ます。
特定の記事ページに割り振られているパーマリンクが変わると、クローラーはその記事を別ページとして判断します。そのため、SEOでの評価がリセットされ、検索順位に悪影響を及ぼす可能性がゼロではありません。
もし、公開している記事ページのパーマリンクを変更する場合は、パーマリンクの変更と一緒に301リダイレクト設定も行なってください。
301リダイレクトとは、旧URLで得たSEOの評価を新URLに引き継ぐ設定のことです。301リダイレクトを活用すれば、今までに獲得していたSEOの評価がリセットされることはありません。
他にも、内部リンク・外部リンクなどで旧URLを使用していたとしても、記事ページが正しく表示されるというメリットもあります。
SNSの拡散がリセットされページの評価が0になる
パーマリンクを変更する場合、SNSの拡散がリセットされ、ページの評価が0になるというデメリットも起こります。
近年のSEOでは外部のサイトで引用されたり、リンクをつけてもらったりするだけでなく、SNSにおける拡散も評価対象の一つです。
パーマリンクを変更すると、SNSで拡散された評価を引き継げず、記事ページの検索順位が変動する恐れがあります。
特にSNSでバズったことがある記事ページのパーマリンクを変更する場合は、SEO上で受けるダメージが大きくなると考えられます。
SNSで評価されている記事ページは、パーマリンクを設定し直すべきなのか一度検討したほうがよいでしょう。
どうしてもパーマリンクの変更が必要な場合は、301リダイレクトを活用して適切にパーマリンクの変更を行なってください。
被リンクが外れドメイン全体にも悪影響を及ぼす
パーマリンクを変更すると旧URLからではアクセスできなくなるため、被リンクが外れてしまいます。外部対策で評価を高めていたWebサイトの場合、ドメイン全体に悪影響を及ぼす恐れがあります。
パーマリンクの変更に伴い被リンクが外れると、ドメインパワーが下落することが一般的です。今まで検索上位に表示されていた記事ページの順位が全体的に下がるため、サイト流入数が一気に下がると考えられます。
特に、運営期間の長いWebサイトは被リンク数が多い可能性があるため、パーマリンクの変更には慎重に対処すべきです。
301リダイレクトでSEOの評価を引き継ぐことはもちろん、外部ツールを使って記事ページの被リンク数もチェックしながらパーマリンクの変更を進めてください。
WordPress(CMS)のパーマリンクの設定方法
パーマリンクの設定方法はCMSによってさまざまです。ここでは、CMSの一つであるWordPressでパーマリンクを設定する方法を「設定手順」と「各種パーマリンクの設定」に分けて解説します。
パーマリンクの設定手順
WordPressでパーマリンクを設定する際は、「パーマリンクの設定」で基本的な設定をし、「投稿画面」で記事単体のパーマリンクを設定します。下記では、それぞれの手順ですべきことをまとめています。
「パーマリンクの設定」はダッシュボードの「設定」から開きます。パーマリンクを自由に設定したい場合は、「カスタム構造」を選択してください。他の項目を選択すると、投稿画面でパーマリンクの設定が自由にできません。
「カスタム構造」の下部に表示される「%category%」と「%postname%」を選べば、「https://ドメイン/カテゴリ/××」という形でパーマリンクを作成できます。カテゴリが不要な場合は「%category%」を省いてください。
①が完了したら、投稿画面で記事ページのパーマリンクを設定します。ブロックエディタの場合、投稿画面の右側にある「パーマリンク」の「URLスラッグ」で設定します。
クラシックエディタの場合は、タイトルの下部に表示されるURLの「編集」からパーマリンクを設定します。
各パーマリンクの設定について
WordPressでは、「基本」「日付と投稿名」「月と投稿名」「数字ベース」「投稿名」「カスタム構造」のなかから自由にパーマリンクの設定ができます。
下表は、各項目のパーマリンクの形式をまとめたものです。
項目 | URLの形式例 |
---|---|
基本 | https://ドメイン/カテゴリ/?p=123 |
日付と投稿名 | https://ドメイン/カテゴリ/2022/10/10/タイトル |
月と投稿名 | https://ドメイン/カテゴリ/2022/10/タイトル |
数字ベース | https://ドメイン/カテゴリ/archives/123 |
投稿名 | https://ドメイン/カテゴリ/タイトル |
カスタム構造 | https://ドメイン/カテゴリ/「利用可能タグ」で選んだもの |
記事を簡易的に識別したい場合は、「カスタム構造」を選ぶことがおすすめです。
サイトの性質に合うおすすめのパーマリンクの決め方
Webサイトの性質に合うパーマリンクを設定するためには、次のポイントを押さえましょう。
- 長すぎずシンプルなものにする
- SEOni悪影響はないが日本語より英単語でパーマリンクを設定する
- パーマリンクで使用できる記号を使う
- ニュース記事には日付を入れると良い
- ECサイトや情報サイトなどはカテゴリ名で設定するのがおすすめ
- 企業サイトや個人ブログは投稿名で設定すると良い
以下では、各項目について詳しく紹介します。
長すぎずシンプルなものにする
パーマリンクを設定する際は、長すぎずシンプルなものにすることが大切です。長すぎるパーマリンクは、ユーザーとクローラーのどちらもが内容を認識しにくくなります。
例えば、SEOについて書かれている記事ページのパーマリンクを設定する際は、「https://ドメイン/カテゴリ/seo」などとシンプルに設定するとよいでしょう。
パーマリンクは、対策キーワードを当てはめると設定しやすくなります。
SEOに悪影響はないが日本語より英単語でパーマリンクを設定する
パーマリンクは、日本語よりも英単語で設定することがおすすめです。パーマリンクで使用する言語によって、SEOの評価が変わることはありません。しかし、パーマリンクで日本語を使う場合は文字化けするというデメリットがあります。
文字化けしたパーマリンクではユーザーが内容を認識しづらく、間接的にユーザビリティが低下する要因となります。
SEOの評価が下がることが否めないため、パーマリンクは理由がない場合を除き英単語で設定しましょう。
パーマリンクで使用できる記号を使う
パーマリンクの設定では、英数字のほかに特定の記号も使えます。パーマリンクで使用できる記号は、「-(ハイフン)」と「_(アンダーバー)」です。
ハイフンやアンダーバーを使えば、パーマリンクに2つ以上の意味を持たせても内容を認識しやすくできます。
例えば、SEOライティングについて書かれている記事ページのパーマリンクを設定する場合、「https://ドメイン/カテゴリ/seo-lighting」とすれば、複数の情報をパーマリンクへ含めても認識しやすくなります。
なお、ハイフンとアンダーバーのどちらを使用してもSEOの評価に大きな差はありません。
ニュース記事には日付を入れると良い
ニュース記事のパーマリンクを設定する際は、日付を入れることがおすすめです。ニュース記事では情報の鮮度が重視されるため、パーマリンクの日付をもとに読むべきかを判断するユーザーが多くいます。
実際にニュース記事を多く取り扱う「J-CASTニュース」や「IT media」などでは、パーマリンクに日付が入れられています。
情報の鮮度が問われるニュース記事では、タイトルよりも日付をパーマリンクに入れたほうがユーザビリティが向上するでしょう。記事の特性に応じてパーマリンクを使い分けることがポイントです。
ECサイトや情報サイトなどはカテゴリ名で設定するのがおすすめ
ECサイトや情報サイトでは、パーマリンクをカテゴリ名で設定することを推奨します。カテゴリ名でパーマリンクを設定すると、URLの管理がしやすくなるだけでなく、ユーザーにどのようなページなのか理解してもらいやすくなります。
例えば、ガジェット系のツールを販売するECサイトの場合、「apple」や「windows」などとカテゴリ名でパーマリンクを分けておくと商品を取り扱いやすくなるでしょう。
カテゴリ名でパーマリンクを設定する際は、サイト設計時にどのようなカテゴリの商品・情報を取り扱うのかを定めておく必要があります。
企業サイトや個人ブログは投稿名で設定すると良い
企業サイトや個人ブログでは、パーマリンクを投稿名で設定することがおすすめです。パーマリンクを投稿名で設定しておけば、記事ページの内容とパーマリンクの情報がかけ離れにくくなるためユーザーにとって親切になります。
企業サイトや個人ブログで投稿名をパーマリンクにする際の一例は次のとおりです。
- 会社概要ページ:「/company/」
- サービス紹介ページ:「/service /」
- 社史のページ:「/history/」 など
- スポーツに関する記事:「/sports/」
- 読書に関する記事:「/book/」
- 旅行に関する記事:「/trip/」 など
投稿名をパーマリンクにする際は、記事内容をひとことで表現できる英単語を選ぶことが重要です。
パーマリンクのSEO上の効果や設定方法まとめ
パーマリンクは、記事ページごとに設定するURLのことです。「記事ページの内容をユーザーとクローラーに理解してもらいやすくする」「被リンク獲得の機会損失を防ぐ」といった役割があります。
パーマリンクを後から変更する場合、記事ページの評価が失われたり、被リンクが外れたりするなどのSEO面でデメリットがあります。そのため、パーマリンクの設定は、Webサイトを立ち上げた初期の段階で方向性を決めておきましょう。
Webサイトや記事ページの特性に合ったパーマリンクを設定すると、ユーザビリティが向上します。ユーザーに親しんでもらえるWebサイトを運用したい方は、パーマリンクの設定を大切にしましょう。