転職活動を行う上で、まず取り掛かるのが履歴書と職務経歴書の作成ではないでしょうか。
しかし、転職が初めてという第二新卒者は、前職で昇進するという経験がない人も多く「職務経歴書に何を書けばいいか分からない……」と悩む人も。
形式が自由な職務経歴書は、ライバルと大きく差が出る部分でもあります。
自分の業務経験や強みをしっかりと採用担当者に伝えるためにも、しっかりとした職務経歴書の書き方を知っておきましょう。
本記事では、第二新卒者必見の職務経歴書の書き方を中心に、採用担当者が見極めるポイントや書く前に押さえたい点をお伝えします。
採用担当者が第二新卒の職務経歴書を見極めるポイント
採用担当者は、第二新卒者の職務経歴書や履歴書を通じ、その後の選考に進むかどうかを判断します。
最終的な採用可否は、職務経歴書や履歴書だけではなく、面接でビジネスマナーや雰囲気なども確認した上で決められますが、短い面接時間で自分をPRするためにも、職務経歴書はきちんと作成する必要があります。
本章では採用担当者が第二新卒の職務経歴書を見るポイントについて説明します。
前職での仕事内容
採用担当者が第二新卒者の職務経歴書を見るポイントの一つ目は、前職での仕事内容です。
実際にどのような業務を担当してきたかはもちろんのこと、その仕事を行うにあたり工夫してきた点があるかどうかを企業側は見ています。
社内表彰や新規顧客開拓記録など、目立った実績があれば大いにプラスに働きます。
第二新卒は入社してさほど年数が経っていないため、目立った実績を残している人は少ないはず。しかし、まだ業績が残せていなくても、日々の業務で工夫・改善した点はあるのではないでしょうか。
ただ単に与えられた業務をこなしていたという印象を与えてしまうと、書類選考から次に進めない可能性が高いです。
しっかりと主体的に業務に携わっていた点をアピールするようにしましょう。
将来のポテンシャル
採用担当者が第二新卒者の職務経歴書を見るポイントの二つ目は、将来のポテンシャルです。
社会人経験がそこまで長くない第二新卒に企業側が期待しているのは、現在持っている能力ではなく今後の可能性です。第二新卒者には将来的に、会社の中核を担って欲しいと思っている企業も多く、今後を期待されている人材だといえます。
特にまだそこまで大きな実績を残していない第二新卒者は、将来のポテンシャルがあることを企業にアピールするのがおすすめです。
例えば「海外の顧客とも話ができるよう、ビジネス英語を週2回学んでいる」というように、業務以外で行なっている自己研鑽を述べるのも良いでしょう。
このように自ら学び続ける姿勢なども、評価が上がりやすいポイントだといえます。
会社と馴染むかどうか
社会人経験が浅い第二新卒に企業側が期待していることとして、「会社と馴染むかどうか」も一つのポイントになります。
社会人経験が浅い第二新卒は、まだ会社の文化に染まっていない部分も多く、中途採用者よりは会社風土や文化に馴染みやすいといえます。
そうした第二新卒特有のフレッシュさによって、既存の社員にも新たな気づきがもたらされることも企業は期待している部分でもあります。
企業側の意向に耳を傾ける柔軟さや、明るくはきはきとした受け答えによって、フレッシュさや適応力の高さを上手にアピールしましょう。
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイント
第二新卒にとって職務経歴書の作成は初めての人がほとんどだと思います。職務経歴書は履歴書と異なり、形式が自由であるため、人によって差がかなり出やすい部分でもあります。
まずいきなり職務経歴書を書くのでなく、以下のポイントを押さえ作成していきましょう。
仕事内容を細かく洗い出す
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイントの一つ目は、現職の仕事内容を細かく洗い出すことです。
日々の業務に追われ焦っていると、今行っている業務だけしか記載しないことにもなりかねません。異動をした場合は、過去に受け持っていた業務についても細かく振り返りましょう。
例え同じ業務をずっと行っていても、時期によって注力した点や仕事内容も少しずつ異なっているのではないでしょうか。
自分一人ではなかなか上手く整理できないのであれば、同僚や同期の仲間などに頼るのもおすすめです。
同じ業務を担当している場合は「友達に自分の仕事を話す時、どういう風に説明する?」といったように、それとなく第三者目線から仕事内容を尋ねることで、新たな見方ができるかもしれません。
自分の強みを把握する
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイントの二つ目は、自分の強みを把握することです。
自分の強みはそもそもどんな部分なのか、なぜそれが自分の強みだと言えるのか、根拠も踏まえて深掘りするのをおすすめします。
しかし、自分の強みは意外と把握しにくいものです。また混同しやすいですが、プライベートの長所とビジネスにおける自分の強みは異なる部分もあります。
あなたのビジネスにおける強みをよく分かっているのは、実際に一緒に仕事を行っている上司や同僚である場合が多いでしょう。
ただし現職の人間にいきなり「私の強みを教えてくれませんか?」と言うと、転職を疑われ、居心地が悪くなる可能性があります。
例えば、仕事上の悩みを相談する形で自分の強みを間接的に聞いてみると、思わぬ発見があるかもしれません。
また取引先からのフィードバックも、自分の強みを把握する上で参考になるかもしれませんので、聞けるようであれば尋ねるのも良いでしょう。
応募企業に沿った内容に整理する
第二新卒が職務経歴書を書く前に押さえたいポイントの三つ目は、応募企業に沿った内容に整理することです。
求人募集や採用基準などから、応募企業がどんな人材を求めているかが把握できるでしょう。いくら自分の強みがあるからといって、企業側が求めていない強みであればマイナス評価を受ける可能性もあります。
例えば、企業側が今後の事業拡大に向けて、新規開拓に力を入れるために第二新卒の採用に力を入れている場合、企業側は主体的で人当たりの良い、挑戦的志向を持った人材を求めている可能性が高いといえます。
しかし、そこで「冷静で着実に業務を遂行をする力があります」とアピールしても、採用担当者からはあまり魅力的に映らないかもしれません。
確かにその強みはどんな業務を行う上でも重要な部分ですし、ありもしない強みをアピールするのは良くありません。
しかし、相手の求めている事に沿った強みを訴求する視点を持ち合わせている第二新卒者は意外と少ないので、ぜひ周りと差をつけるという意味でも意識してみてください。
第二新卒の職務経歴書のテンプレート
では実際に、第二新卒者向けに職務経歴書のテンプレートを紹介します。しかし、職務経歴書の形式は自由であり、必ず以下のようなフォーマットで作成しなければいけないわけではありません。
自身の状況に合わせて、最適な職務経歴書を作成しましょう。不安がある場合は、転職エージェントなどプロに書類添削をお願いするのもおすすめです。
職務経歴書 20XX年1月1日現在 ■経歴要約 ■職務経歴 <職務内容> <実績> <工夫した点> <主なプロジェクト> ■保有資格 ■PCスキル ■自己PR |
第二新卒の職務経歴書の書き方として、ポイントとなる4項目について、これから順番に説明します。
経歴要約
まず冒頭に記載する「経歴要約」は、最終学歴を卒業後、所属した企業で行った業務内容を工夫した点などを簡潔に書く項目です。
注意点としては、長くだらだらとした文章にせず、企業側にアピールしたい点を簡潔な内容にまとめることです。
職務経歴
職務経歴は在籍期間や、前職で勤めた会社と業務内容の詳細情報を記載する項目です。
実績があれば具体的に年数や成績を記載し、合わせて業務で工夫した点、客観的に評価を受けやすいプロジェクトも言及するとより丁寧でしょう。
保有資格・PCスキル
保有資格やPCスキルなどは、企業にアピールできる点があれば記載しましょう。もし主に記載する項目がない場合は、無理に項目を作る必要はありません。
意外と忘れがちなのが「自動車免許証」です。普通自動車はもちろん、原動機付自転車の免許証も立派な資格になります。
また、今勉強中の資格やこれから挑戦したい資格なども「取得見込み」「取得準備中」と記載しておきましょう。
自己PR
自己PRは経歴要約や職務経歴で記載できなかった、自分の強みを具体例も交えて記載しましょう。
中には自分を大きく見せようと内容を盛る人もいますが、素直な気持ちを簡潔に書いた方が採用担当者の印象も良くなります。
自己PRを際立たせたい場合は職歴の次(保有資格やPCスキルの前)に記載するなど、職務経歴書の前方に移動させるのもおすすめです。
職務経歴書の書き方をマスターし他の第二新卒者と差をつけよう
第二新卒者が転職で大きなアドバンテージになるのは、社会人経験があることで、基本的な仕事遂行能力とビジネスマナーが備わっており、若く将来性があるという事です。
30代~40代の転職と比べれば、キャリアが少ない部分もありますが、採用担当者は第二新卒者の今後に期待して採用する場合がほとんどです。
第二新卒者が転職を成功するためには、履歴書ももちろんですが、職務経歴書をきちんと書いておくことが何より重要です。
まず書類選考で企業側に良い印象を与えなければ、面接にも進めません。
しかし職務経歴書は形式も自由であり、ほとんど初めて作成する第二新卒者も多いはず。そんなときは転職エージェントの力を借り、自分の良さを十分アピールできる職務経歴書を作成しましょう。