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医師の転科の失敗リスク4つを紹介|失敗しないためのポイントや転科以外の選択肢も徹底解説

「転科」は、医師にとって非常に大きな決断です。転科をすることによって年収が大幅にアップすることもありますが、積み重ねてきたキャリアを失うといったデメリットもあるからです。

ここでは、転科のリスクを紹介しつつ、転科時の注意するポイントやほかの選択肢について解説していきます。

なお、転科を考えるにしろ転職を考えるにしろ、エムスリーキャリアエージェントを含む転職エージェントは頼りになる存在です。決断を下す前に、一度相談に行ってみるとよいでしょう。

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医師が転科する際の失敗リスク4つ

今まで勤めていた科を辞めて、ほかの科に移ることを「転科」といいます。転科は医師のキャリアを考えるうえでターニングポイントとなる選択のうちのひとつですが、これにはリスクもあります。

医師が転科する際の失敗リスク4つ
  • 今までの積み重ねたキャリアがいったん途絶えることになる
  • 転科希望先によっては、難易度が非常に高くなる
  • 年収が低くなったり、労働時間が増えたりすることがある
  • 指導者が自分よりも「医師としての経験」が浅い人になることもある

それぞれ細かく解説していきます。

今までの積み重ねたキャリアがいったん途絶えることになる

転科によるもっとも大きなデメリットは、「今まで積み重ねてきたキャリアが一度途絶えてしまう」ということです。たとえば循環器内科でずっと働いていた人が、畑違いの美容外科などに移った場合、循環器内科医としてのキャリアがその時点で一度止まってしまいます。

後でまた循環器内科に戻ろうとしたとしても、最新の機器や治療方法についていけなくなる可能性が高いといえます。

なお、循環器内科で専門医の資格を有していたとしても、新しい科に移った場合、そこで「専門医」として働くことはできません。新しい科で専門医として認められるためには、再度の勉強が必要です。

また、循環器内科医として培ってきた人間関係などにも、少なくない影響が出る可能性があります。特に、「臨床研修が終わってからもずっと、一つの病院で循環器内科の医師として勤め続けてきた」という場合は、人間関係への影響が大きく出るでしょう。

転科希望先によっては、難易度が非常に高くなる

一口に「転科」といっても、「どのような立場の人が、どのような科に移動するか」によってその難易度は大きく異なります。

たとえば、さまざまな臓器を見られる外科医の転科は、比較的成功させやすいといわれています。医師のなかには、「外科医は、がんばりさえすれば、内科の分野でも合格点は取れる」としている人もいるほどです。

しかし内科医から外科医への転科は非常に難しく、外科医→内科医への転科以上の覚悟と修練が求められます。

なお、違う科であっても、親和性の高い科は存在します。たとえば美容外科と美容皮膚科は同じ美容医療の領域であるため、転科も成功しやすいといえます。また、(一般的な)皮膚科医から美容皮膚科医への転科も比較的リスクが少ない選択肢です。

もちろん、難易度の高い転科=失敗に終わる、とまでは言い切れません。しかし難易度の高い科への転科を考えているのであれば、覚悟は必要です。

年収が低くなったり、労働時間が増えたりすることがある

医師の年収や労働時間は、科によって大きく異なります。   

年収で見た時、もっとも平均年収が高いのが「産科・婦人科」で、1,480万円を超えています。対して、「眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科」の年収は、1,000万円を少し超えるくらいです。

単純計算で言えば、眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科として20年働いた場合と、産科・婦人科で20年働いた場合では、その総収入が1億円程度違ってくるわけです。

また、労働時間も大きく異なります。救急対応が求められる救急科の医師は週に54.0時間(週5勤務として1日10時間以上)働いていて、60時間以上働いている人の割合も40%を超えています。

精神科医の場合は週の平均労働時間は38.4時間(週5勤務として1日に7.7時間程度)で、60時間以上働いている人の割合は12%程度にすぎません。

年収が高い科から年収が低い科に変わった場合、収入は大きく目減りします。また、時間外労働がほとんどなかった科から緊急対応が求められる科に変わった場合は、労働時間は大幅に増えます。

ただ見方を変えれば、これは、「転科によって大幅に年収を上げられる」「転科によって労働時間を減らせる」と考えることもできます。

【出典】
独立行政法人 労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」
※上記データは美容医療分野を含まず

指導者が自分よりも「医師としての経験」が浅い人になることもある

医師免許の資格を有しているとはいえ、一度科を移ると、また「新人」の立場で知識を積み上げ、技術を学んでいく必要があります。特にまったく畑違いの科に移った場合は、とまどいも大きいことでしょう。

一般的に転職・転科をした場合、そこの職場・科にもともといた医師に指導してもらうことになります。

医師になりたての頃に指導に当たってくれる先輩医師は、自分よりも年上で、医師としての経験も多く持っている人です。しかし転科した場合は、医師としての経験は自分より浅く、年齢も下の人が指導にあたることもあります。

転科をする人は、「自分は新人で、一からまた新しく学んでいくのだ」という謙虚な姿勢を持っていないと、転科した後の人間関係がこじれる可能性があります。

転科を失敗しないためのポイント4つ

転科はリスクもあるものですが、「失敗しないためのポイント」を知っておくことで、成功確率を上げることができます。

転科を失敗しないためのポイント4つ
  • 自分の専門領域と近い科に変わる
  • 事前にしっかり、新しい科の特徴や情報を調べておく    
  •  働く先を見つけておく   
  • 転科の目的を明確にする  

 ひとつずつ細かく見ていきましょう。

自分の専門領域と近い科に変わる

転科には、「まったく畑違いのところに移る(循環器内科から美容外科など)」と、「比較的近い領域のところに移る(美容外科から美容皮膚科、美容皮膚科から皮膚科など)」との2通りがあります。

このとき、より転科が成功しやすいのは、後者の「比較的近い領域のところに移る」の方です。自分が今まで診てきた症例と共通するところが多い分野に転科すれば、実際の診療でもとまどうことが少ないといえます。

また今までの科で培ってきた技術も生かしやすく、その分職場での評価も高いものになりやすいでしょう。

まったく畑違いの科に移る場合は、相応の覚悟が必要です。特に内科→外科への転科は慎重に行わなければなりません。

働く先を見つけておく

転科を希望する場合、新しく働く先のことを考えておくとベストです。

クリニック(病院)は、経験者を優遇します。たとえばクリニック(病院)に2人の医師が応募してきた場合、医師の経験年数が同じであれば、クリニック(病院)側は当然自院の求める科での治療経験のある医師を優先して採用します。

ただ、医師の世界は常に売り手市場であり、多くのクリニック(病院)は人手不足の状況にあります。そのため、「もともとこの科での経験があれば優遇するが、この科が未経験である人も歓迎する」としているクリニック(病院)も多くあります。

転科を考えている場合は、あらかじめ「未経験可」としてるクリニック(病院)をリスト化しておくとよいでしょう。なお転職エージェントを使って、未経験可の転職先を探してもらうこともできます。

転科の目的を明確にする

転科は、医師人生において非常に大きな決断です。医師免許を持っていれば再就職に困ることはありませんが、「転科したが失敗したので、元の科に戻りたい」としても技術の面などで遅れを取ることが予想されるからです。そのため、安易な転科は非常に危険です。

転科を考える際には、「なぜ自分は転科をしたいと考えているのか」を明確にしましょう。年収アップが目的なのか、プライベートを充実させたいからなのか、ほかの科に興味が湧いたからなのか……などを、自分の言葉で明確にします。

書き出しているうちに、自分にとってのベストの選択肢は「転科」ではなく「転職」であることに気づくこともあるでしょう。

転科の失敗が怖いなら転職という選択肢もある

転科は多くのリスクを含むものであり、失敗の可能性もあるものです。

もちろん、「ほかの科に興味が湧き、今後の医師人生をそちらに捧げたい」という強い意志があるのならば転科は意味のある選択となります。

しかし「年収が低いから」「仕事時間が長いから」「労働環境が悪いから」などの理由の場合は、科を移らなくても、職場を移ることで状況が大きく変わる可能性が高いといえます。

職場環境や労働条件を悩みとして今の科を辞めたいと考えているのであれば、科を辞めるのではなく、今の職場を辞めるという選択肢が取れないかを冷静に考えてみましょう。

転職は転科に比べてリスクが低く、選びやすい方法だからです。ちなみに、医師の転職をサポートしてくれる転職サイトは、現在では「条件」で検索をかけることができるようになっています。

収入で悩んでいる人は希望年収を、オンコールなしでの働き方を望んでいる人はオンコールなしで検索してみるとよいでしょう(※個別の細かい条件に関しては、転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談してください)。

転科の失敗リスクを回避したい医師におすすめの転職サイト・エージェント

「考えた結果、転科ではなくて転職で間に合いそうだ」
「転科もまだ選択肢には入っているが、まずは転職を考えている」

このような場合は、転職サイト・エージェントを使って転職活動をしましょう。医師向けの転職エージェントは、医師の転職を強力にサポートしてくれます。

エムスリーキャリア

エージェント名エムスリーキャリアエージェント
求人数常勤・非常勤をあわせて22000件前後+非公開求人
対応雇用形態常勤・非常勤
対応診療科目内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など
対応エリア全国
拠点東京都港区虎ノ門4-1-28虎ノ門タワーズオフィス
公式HPhttps://agent.m3.com/
※2023年10月30日現在

関東圏にある医師求人情報のうちの約4割を持っているとしている「エムスリーキャリアエージェント」は、豊富な医師登録者数を誇る転職サイトとしても知られています。

エムスリーキャリアエージェントでは、年収1,800万円以上でソートを掛けられるほか、専門医取得・認定施設でもソートを掛けられるようになっています。

このような特徴から、高収入を目指しての転職・転科を考えている人や、新しい科でも専門医を取得したいと考えている人にとって心強い味方となるでしょう。

医師転職ドットコム

エムスリーキャリア
引用:https://www.dr-10.com/
エージェント名医師転職ドットコム   
求人数常勤・非常勤をあわせて43,000件以上
対応雇用形態常勤・非常勤
対応診療科目内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など
対応エリア全国
拠点北海道札幌市中央区北1条西5丁目2番地興銀ビル9F(本社)
公式HPhttps://www.dr-10.com/
※2023年10月30日現在

豊富な求人数を誇る「医師転職ドットコム」は、「転科 常勤医師」に絞った場合であっても300件を超える求人がヒットする転職サイトです。

もちろん、転科を伴わない転職の求人数も非常に豊富で、「数多くの求人のなかから、自分に合った職場を選びたい」と考える人にとってとても有益なサイトです。

なお、「地域別の転職・求人」として、それぞれのエリアの医師の転職事情・就労事情も紹介しています。「条件優先なので、地域をまたいだ転職を考えている」という人は、一度目を通しておくとよいでしょう。

会員限定の非公開求人多数!

リクルートドクターズキャリア

リクルートドクターズキャリア
引用:https://www.recruit-dc.co.jp/
エージェント名リクルートドクターズキャリア
求人数
対応雇用形態常勤・非常勤・スポット
対応診療科目美容外科や美容皮膚科、内科全般・外科全般・ほか小児科や産婦人科、耳鼻咽喉科や眼科など
対応エリア全国
拠点東京都千代田区九段北1丁目14-6 九段坂上KSビル
公式HPhttps://www.recruit-dc.co.jp/
※2023年10月30日現在

だれもがその名前を知る大手の転職・就職エージェントである「リクルート」は、医師向けの求人サイトを展開しています。それが「リクルートドクターズキャリア」です。

医師向けの転職エージェントのなかでは突出して運営歴が長く、40年以上にも渡って医師の転職をサポートし続けてきたという実績があります。

若い世代はもちろん、60歳以上のシニア世代の転職サポート能力にも長けていて、どの世代・どの科・どの条件の医師でも安定して転職活動を行えるのがリクルートドクターズキャリアの魅力です。

転職大手のリクルートが運営!

>>その他おすすめの医師転職サイトを見る

医師の転科の割合は?リアルな転科事情について

ここからは、転科希望者は実際のところ何割程度なのか、未経験でも入りやすい科はどこなのか、そして転科したいと考えている医師がもっとも多いのはどこの科なのかを、データとともに紹介していきます。

転科希望者の割合は、だいたい27%程度

エムスリーキャリアエージェントが、自エージェントの会員向けに、転科に関するアンケートを行ったデータがあります。そのアンケートの設問のうちのひとつとして、「転科した経験があるか」と問うものがありました。

アンケートの結果、「実際に転科した経験がある人は9.4%、転科に踏み切りはしなかったが、転科を考えたことがあると答えた人は18.0%、転科を考えたこともないとした人は72.6%」というデータが出てきました(※小数点2位以下四捨五入)

エムスリーキャリアエージェントのアンケートでは「開業医」と「勤務医」に分けて統計を取っていましたが、2つの間には有意な差は認められていません。医師全体のうちの3人~4人に1人が転科を考えていて、実際に転科に踏み切る人の割合が10人に1人程度であることを、データは伝えています。

このような数字を多いと感じるかは、人によって異なります。ただ、転科に踏み切る医師は少数派であるとはいえるでしょう。

【出典】
m3.com「「転科経験」は1割弱◆Vol.16」

未経験でも入りやすい就職先と、そうではないところがある

医師はその職業の特性上、「経験者であること」が極めて優遇されやすい仕事であるといえます。また高い専門性が求められるため、医師の転職においては「現在の科(転科希望の場合は、転科予定先の科)」が問われるのが基本です。

ただ、科目不問でも転職しやすい就職先があるのも事実です。たとえば、老健などの一部の施設の施設長のポジションなどがそれにあたります。

老健などの施設長は入居者の急な病変をみることよりも、日々の医学的管理が業務の中心となるからです。転職エージェントのなかでは、「老健」でソートをかけられる施設もあります。

検診関係の仕事も、科は不問とされることが多いとされています。もっとも検診の場合は、エックス線(マンモグラフィーなど)で撮影した画像を読み解くための技術が求められます。そのため、「科は不問ではあるが、放射線科などの医師が望ましい」とされることもあります。

意外に思われるかもしれませんが、管理医師(一般的には院長ポジションの者が担当する)も科不問での募集がかかりやすいものです。

なお管理医師で採用された場合は、診察以外の仕事(業者とのやり取りなど)も業務として入ってきますし、問題が起きたときには責任を問われる可能性もあります。ただしその分収入は高くなる傾向にあります。

もっとも転科したいと考えている割合が多いのは「検診・人間ドック」

医師転職ドットコムが、1,683人を対象として、「今までに転科をしたいと思ったことはあるか」と問うアンケートを出しました。

24の科の統計のなかで、「転科を考えたことが一度以上ある」と答えた人がもっとも多かったのは、「検診・人間ドック」でした。続いて2位「救命救急」、3位に「リハビリテーション」「放射線科」が入っています。

転科を希望している人・希望していた人が50%を超えているのはこの4科だけでした。なお医師転職ドットコムのデータでは、「もし転科するとすれば何科がいいか」も聞いています。

その結果、もっとも多くの医師からの指示を集めていたのは、「美容(領域)」でした。美容領域の医師の年収は一般的な医師の1.5倍〜2.3倍程度とするデータがあること、またオンコールなどがほとんどない職場であることが、その理由と思われます。

【出典】
医師転職ドットコム「医師は「転科」についてどう思っている?人気の転科先は?」

医師が転科をするメリット

医師の転科はリスクを伴うものですが、メリットもあります。

医師が転科をするメリット
  • 自分のやりたい医療に携われる    
  •  ライフワークバランスが取りやすくなることもある    
  •  ダブルボードなどの夢を見ることができる

こちらについても解説していきます。

自分のやりたい医療に携われる

転科の最大のメリットは、「自分が診たい科、行いたい医療に関われる」ということです。医師は多くの場合、初めに選んだ科で活躍し続ける道を選びます。

ただ、仕事をしていくうちに、「自分は脳神経外科医になったが、本当に診たかったのは精神分野だった」などのように考えが変わることもあるでしょう。また、「内科医として働いていたが、外科医として疾患をみていきたい」と感じることもあるかもしれません。

「よりやりたいことが見つかった」という理由での転科は、非常に前向きなものであり、転科後のモチベーションも保ちやすいといえます。自分よりも年若い医師からの指導も抵抗感なく受け入れることができるでしょうし、新しい科の勉強も積極的に行っていけるでしょう。

医療人としての自分の生き方を改めて考えたときに、より自分が取り扱い科・行いたい医療が見つかったのであれば、それを追求するために転科に踏み切ってもよいでしょう。

ライフワークバランスが取りやすくなることもある

同じ「医師」という職業であっても、科によって年収や労働時間は大きく異なります。そのため、科を変えることによってライフワークバランスが取りやすくなる可能性は高いといえます。

たとえばオンコールや残業を伴いやすい救急医療から、緊急の対応がほとんど求められない美容医療分野に転科すれば、プライベートの時間を確保しやすくなります。

また、医師は精神的な負荷を抱えやすい仕事です。しかし比較的ゆったりと働ける科に移れば、プライベートの時間を確保できるようになり、仕事のストレスも減りやすくなります。

「独身時代は残業も時間外労働もこなせたが、結婚して子どもが生まれた。配偶者も働いている」
「家庭で要介護者を抱えることになった」
「年齢を重ねるに従い、昔のような働き方が難しくなった」

などの理由で、今の科で働き続けることが難しくなった人は、転科という選択肢を考慮に入れることをおすすめします。

ダブルボードなどの夢を見ることができる

ダブルボード(「ダブル・ボード」とも記す。下記では「ダブルボード」の表記に統一)とは、異なる2つの分野の両方において、専門医として認定されることを差す言葉です。

専門医になるためには、大学入学から最短でも11年の時間が必要です。

  • 高校卒業後、ストレートで医学部に入学(18歳)
  • 6年間の修学期間を経て、ストレートで医師免許を取得(24歳)
  • そこから2年間の臨床研修を受ける(26歳)
  • 専門分野を学ぶ専攻医となり、最低3年間の研修を受ける(29歳)
  • 専門医として認められるための試験に合格する(29歳~)

専門医の認定は、複数の科で受けることができます。もっとも、専門医の認定は互換性のあるものではないので、新しい分野で専門医認定を受けたいと考えるのであれば、また4の「最低3年間の研修~試験合格」の工程を経なければならないという大変さはあります。

ただし2つの分野で専門医として認定されたことを示すダブルボードは、医師としての活躍の場を広げます。また、転職時にも有利に働きます。

なお、日本国内には、少数ながら3つの専門医認定を受けたトリプルボードの医師もいます。

転科に適切な年齢は?

転科する年齢に、制限はありません。20代で転科に踏み切っても構いませんし、元の科で専門医を取得してから科を移ってもよいでしょう。

また、医師としての円熟期である40代〜50代になって初めて、「新しい医療分野を学びたくなった」ということで転科を考える人もいます。

ただ、早い段階で転科を決めれば、「転科後のキャリアの積み直し」に取り組みやすくなるというメリットはあります。若いときの方が新しい科に移った後の勉強もしやすいものです。

また、指導にあたる医師が自分よりも年上であることが多く、精神的な抵抗も感じにくいといえます。40代以降で転科を志す場合は、「本当に転科しても悔いはないか」をよく考える必要があるでしょう。また、転科後のセカンドキャリアについてもよく考慮する必要があります。

おすすめ・人気の転科先3選

「この領域の医療を学びたい」という明確な志がある場合、その志を一番優先するべきです。ただ、年収やライフワークバランスの観点から転科を考える場合は、その希望に添える科を選ぶ方がよいでしょう。

年収・ライフワークバランスから考えるおすすめの転科先は、以下の3つです。

おすすめ・人気の転科先3選
  • 美容医療分野
  • 精神科
  • 眼科・耳鼻咽喉科

それぞれ見ていきましょう。

美容医療分野

美容外科や美容皮膚科などは、転科先として非常に人気の高いものです。なぜなら、美容医療分野にはほかの医療分野にはない魅力があるからです。

美容医療分野に属する科は、その特性上、突発的な残業やオンコールが発生しにくいという特徴があります。ほとんどすべての美容クリニック(病院)では、予約→来院→診療→再来院(手術)→必要に応じて、述語の来院の予約→再診……という流れを取るからです。

患者さんは予約をしたうえで来院することになるうえ、急変の可能性が極めて少ない科であるため、残業などが発生しにくいのです。また、多少の増減はあるものの、美容医療分野の市場は基本的には右肩上がりで成長しています。

整形手術などに対しても肯定的にとらえる人が多くなってきていて、今後も高い需要が見込まれます。このような背景があるため、美容分野の医師は、一般的な医師に比べて高い年収を得られやすくなっています。

美容分野の医師の年収は2,000万円~3,000万円が相場で、一般的な医師の1.5倍~2,3倍程度です。

精神科

精神科の医師の1週間の平均労働時間は、38.4時間です。1週間に60時間以上働いている医師の割合は、13分野のなかでもっとも低く、12.3%に留まっています。救急科では11.1%の医師が週に80時間以上の労働をこなしているのに比べて、精神科の場合は1.2%に留まっています。

ほかの科から精神科に転科した場合、労働時間が大きく減ることが予想されます。ワークライフバランスが取りやすくなり、プライベートの時間もしっかり確保しやすくなるでしょう。

ただし精神科医は、精神が不安定な人を対象として診察を行っていくため、医師本人もその影響を受けやすいといわれています。このため、精神科に転科しようとする場合は、「精神科医としての適正が自分にあるかどうか」をよく見極める必要があります。

眼科・耳鼻咽喉科

眼科と耳鼻咽喉科は、「患者さんと接する時間を最優先にしたい」と考える人の転科先に向いています。なぜならこの2つは、18の診療科のなかでもっとも診療外時間(※研究、会議などに従事した時間のこと)が少ない科だからです。

厚生労働省がとったデータによれば、病院に勤めている常勤勤務医の週当たりの診療外時間の平均は12時間22分だということです。また、もっとも診療外時間が多い科として、「臨床検査科」が上げられています。

臨床検査科の場合は、勤務時間48時間9分のうち、実に29分39分が診療外時間に分類されます。対して、眼科と耳鼻科は、その勤務時間のほとんどが診療時間にあたり、診療外時間は週に9時間18分に収まります(※眼科・耳鼻咽喉科ともに同じ数字)。

そのため、「できるだけ多くの時間を患者さんと過ごしたい」「勤務時間のなかでもっとも重要視するのは、患者さんと接する『診療時間』である」という人は、眼科・耳鼻科を志すとよいでしょう。

※なおもっとも診療外時間が短いのは厳密には「麻酔科」です。しかし麻酔科医の専門医になるのは、他の科で専門医になるよりもさらに長い時間がかかるため、ここでは除外しています。

【出典】
厚生労働省「医師の勤務実態について」

医師の転科・転職に関する悩みがあるならプロに相談しよう

「どうしても自分が診ていきたい科が出てきた」という理由で転科を志す場合は、自身の意志に従うべきです。しかし転科は、医師としての経歴やキャリア、それ以降の道のりを大きく変える選択肢です。

そのため、ライフワークバランスや年収が転科希望のメイン理由であるのならば、「転科」ではなく「転職」で対応できないかを考えるべきでしょう。

なお、転科を希望する場合でも、転職を希望する場合でも、新しい就職先の候補を事前に探す必要があります。エムスリーキャリアエージェントなどの転職エージェントを使えば、新しい就職先探しがしやすくなるでしょう。

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編集者1

杉田 陸 - キャリアクラス編集部

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新卒で福岡県のメーカー企業に入社し、営業とSNSマーケティングを経験。1年半後、本当にやりたいことを見つめ直し、未経験でWebマーケティング業界への転職を決意。2021年8月にウェブココル株式会社へ入社する。自身の第二新卒で転職を成功させた体験をもとに記事コンテンツの作成する。一般社団法人プロティアン・キャリア協会が行う『プロティアン・キャリア検定資格』に合格(合格証明)。
※プロティアンキャリア検定は、自身・他者のキャリア開発に活かせる、変化する新時代のための認定資格

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編集者2
千田 究太郎 - キャリアクラス編集部

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新卒でマーケティング支援会社に入社。その後、Web広告を扱う企業を中心に二度転職を経験したのち、ウェブココル株式会社に入社。自身の転職成功経験を踏まえて、主に第二新卒〜若手の転職情報に精通。最新の転職情報をお届けします。

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ファクトチェック
大島 大地 - ウェブココル株式会社取締役

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新卒で東証プライム上場メーカーへ入社。その後上場企業傘下のWebメディア企業へ転職し、ウェブココル株式会社の取締役へ就任。採用の全責任者として、年間100名近くの採用選考を実施し、社員0名→25名へグロース。自社において幅広いなリクルーティングサービスを利用し、多くのサービスに精通。採用側の視点でサービスのファクトチェックや記事内容を精査しています。

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執筆者情報

杉田陸のアバター 杉田陸 キャリアクラス編集者

宮崎県宮崎市生まれ。福岡大学経済学部を卒業。新卒でVC工業株式会社に入社し、営業とSNSマーケティングを経験。1年半後、本当にやりたいことを見つめ直し、未経験でWebマーケティング業界への転職を決意。2021年8月にウェブココル株式会社へ入社する。現在はキャリアクラスのディレクターとして、キャリアに関するニュースでの情報収集や転職成功者へのインタビューを行い、キャリアや転職への知見を増やしている。自身の第二新卒で転職を成功させた体験をもとに記事コンテンツの作成する。プロティアン・キャリア協会が行うプロティアン検定資格を取得(証明バッジ)。
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