採用担当者は、応募者に会った瞬間の第一印象で、応募者の90%のイメージを決めてしまいます。
そして、面接の間は、その印象が合っているかどうかを確認しているようなもの、とも言われます。
例えば、第一印象で「やる気がありそうな人だな」と思えば、その仮説が正しいかどうかを確かめるような質問をしてきますし、逆に「やる気がなさそうだな」と感じれば、それを裏付けるための質問をしていくのです。
つまり、面接では、第一印象をよくすることが非常に重要なのです。
今回の記事では、第一印象をよくするコツと、好印象になる服装マナーについてまとめました。
スタートから5分で面接は決まる
初めて会った人の印象は、その瞬間に決まるといいます。面接の場合、さすがにその瞬間に決まってしまうことはありませんが、最初の5分間でほぼ決まってしまうと思っていた方がよいでしょう。
面接で5分間と言えば、入室して、今の仕事を説明し、転職のきっかけ、退職理由、志望動機を話すところまでです。
重要なことは、この5分間でほぼ話は終わってしまいます。しかも、面接官は、人材を見極めるプロである上に、事前に応募書類を読んでいて、その人物について何らかの印象を持っているのです。
この5分間に、細心の注意を払いましょう。
まず、最初に注意するべきなのは、やはり第一印象です。入室した瞬間にその人のイメージは90%決まってしまうものと考え、入室する前から十分な心の準備をしておきましょう。
入室したら、挨拶の仕方、お辞儀の仕方、ドアの開閉といった基本動作に加え、目の表情、視線、姿勢に注意します。
ここで「根暗な感じだな」と思わせてしまったら、そのイメージを払拭するのは、容易なことではありません。
逆に、最初の段階で好印象を与えておけば、話の内容でつまずくことはあっても好印象のまま聞き入れられるとも言えます。
第一印象をよくするコツ
面接は長くても30分程度であるので、面接官が最初に描く第一印象が重要なポイントになります。人は最初のイメージを重視する傾向があるため、第一印象が好感を持たれると、優位に面接を進めることができます。
逆に、悪いイメージを持たれると、短時間で払拭することは難しくなってしまいます。
第一印象を高めるポイントは、「表情」「服装」「話し方」の3つです。どれかひとつ欠けてもマイナスのイメージを与える可能性があるので、注意しましょう。
企業の採用担当者には、さまざまなタイプの人がいます。男性の場合もあれば、女性の場合もあります。終止穏やかな表情で話を聞いてくれる人もいれば、威圧的に質問をしてくる人もいます。
面接をうまく進めるコツのひとつは、どんなタイプの採用担当者であれ、その人に好感を持つことです。
面接は企業の採用担当者と応募者とのコミュニケーションの場です。コミュニケーションは、お互いの信頼関係があってこそ成り立つものなのです。
採用担当者に好感を持ち、信頼すれば、あなたは自然と採用担当者の話に耳を傾けるでしょう。そして、聞き手である採用担当者が理解しやすいような話し方を工夫するはずです。
そんなあなたに、採用担当者もきっと好感を抱くはずです。
- 面接官をまっすぐ見ているか?
- 背筋を伸ばし、姿勢を正して座っているか?
- はっきりとした口調で話しているか?
- 面接官の話を最後まで聞き、相槌を打っているか?
- 面接官に好感を持って接しているか?
服装や見た目チェックに時間をかける
人の印象は第一印象で90%決まると言われています。
面接官は、30分~1時間という面接時間内で、あなたが自社にふさわしい人かどうかを判断しようとしていますから、面接官に与える第一印象は大事にしましょう。
第一印象で清潔感がないという印象を持たれてしまうと、その後の面接にも影響します。清潔感がない人は、仕事ができない人、だらしがない人、良好な人間関係が構築できない人だと思われますから、身だしなみには十分時間をかけてください。
身だしなみでとくに気をつけるべき点が、服装です。男性は、原則としてスーツにネクタイを着用しましょう。紺やグレー系といったダーク系のものがベストです。
ネクタイは明るい色を選ぶと印象がよくなります。ネクタイは緩めすぎず、きちんと締めるようにしましょう。ワイシャツは白でなくても構いませんが、濃い色は避けた方が無難です。また、ワイシャツの襟元が汚れていないか、折り目がついているかも確認します。
女性の場合は、紺やグレー系のスーツ、もしくはブラウスとスカートを着用してください。スカートの長さは膝の中心が隠れるくらいの長さにします。派手なアクセサリーや、香りの強い香水は避けるようにしましょう。
また、ヘアスタイルは男女ともにすっきりさせると、面接官に与える印象もよくなります。男性は長髪を避け、女性で髪が長い人はまとめるようにしてください。
髪の色が明るすぎると派手な印象になるので、カラーリングをしている場合は、根元の色が目立たないようにしましょう。寝癖も印象が悪いので、きちんと直してください。
元気のよいあいさつをしよう
面接であなたの第一声になるのはあいさつであり、どんなあいさつをするかであなたの第一印象が決まります。
面接官に聞こえないような声でボソボソとあいさつしたり、早口であいさつしたりしていては、一緒に働きたい人だと思ってもらえません。
また、面接を受けられる状況に感謝の気持ちを持つことも大切です。この気落ちがあれば、相手にきちんと届くように言葉を発しようと思いますから、あいさつの仕方も、自然と変わるはずです。
あいさつに自信がない人は、簡単なトレーニングをするのが効果的です。面接でさわやかにあいさつができるようになるでしょう。
- お腹に力を入れ、明瞭な声で「アエイオウ」と発声します。これを10回行いましょう。声が低い人は、半音上げて行ってください。
- 面接の入室時をイメージし、声を前に届かせるようなイメージであいさつをしましょう。「失礼します」「○○と申します。よろしくお願いいたします」「失礼します」「ありがとうございました。よろしくお願いいたします」これらを3回繰り返してください。
面接時の聞き方のポイント
面接では話すことばかり意識しがちですが、実は面接官は、応募者の聞くときの態度や話した内容の理解力もチェックしています。
日常の会話を思い出してみてください。一生懸命話をしていても、相手の視線があなたに向けられずにうなずきもなければ、相手が理解しているか不安になり、場合によっては無視させているのではと感じるはずです。
採否の最終的な判断は、応募者の人間性の部分が強く、話を聞けない応募者では、いくら立派なキャリアがあっても、採用に結びつかないことが多くあります。
面接官と応募者のコミュニケーションをスムーズに行うためには、共感できる状況を作り出すことが大切です。
共感するということは、面接官の話すことを理解し、理解していることを動作で示す必要があります。
- 相手の目をみて、話を聞く。(にらみつけるのではなく、時々視線をはずす)
- 面接官の話に相づちを打つ。
- 話す話題に合わせて、表情を作る。(笑顔と真剣な表情を使い分ける)
- 話の合間に「はい」と言う。
- 話の内容に共感する。
面接時の話し方のポイント
話がうまいからといって必ずしも採用されるものではありませんが、短時間の面接では、話し方や声の出し方で印象は大きく変わります。
声が低い人はこもらないように注意して、早口な人は落ち着いて話をすることを意識しましょう。
優秀な営業マンは、言葉だけでなく身振り手振りを効果的に使い、話の間の取り方も上手です。そしてなにより、話の聞き方がうまく顧客に話をさせることに長けています。
しかし、多くの応募者は緊張して思うように話せないのが現実です。面接では誰でも緊張するものだと理解し、話しベタでも誠実な気持ちを伝えようという気持ちで臨んでみましょう。
- はつらつとあいさつしているか?
- 語尾をはっきり明瞭に話しているか?
- 「はい」と返事をしているか?
- 略語や専門用語を多用していないか?
- 最初に結論を持ってきて、説明しているか?
- 長々とした言葉で話していないか?
- 共感を持って話を聞いているか?
- うまく話そうと、あせっていないか?
さいごに
第一印象は、転職の成功を左右する大事なポイントです。今回の記事を参考に、第一印象に注意して、転職を成功させましょう。
とはいうものの、転職活動を、自分自身で全ておこなうことは、なかなか大変なことです。
面接の練習をすることや、履歴書・職務経歴書を丁寧に仕上げること、志望先の会社についてのリサーチや、自分自身の希望の棚卸をする時間は、簡単に取れるものではありません。
そんなときは、転職のプロである「転職エージェント」に相談することをおすすめします。