異動がきっかけで退職するのはあり？退職前に心得ておくべきことや退職のタイミング、面接で使える退職理由の例文を紹介

異動辞令が出されると、慣れた業務や環境から離れるのが精神的に負担がかかるため、「異動を拒否したい」「異動せずに退職したい」と考える人も多いのではないでしょうか。

とはいえ、異動をきっかけに突然退職するのは、非常に危険です。会社ごとの退職時のルールに乗っ取り、業務を引き継ぐ後任担当への引き継ぎ業務などを問題なく終わらせてから退職する必要があります。

また、転職するにしても、退職して一から転職先を探すのではなく、在職中に転職先を決めてから退職する方が金銭的にも精神的にも余裕ができます。

そのため、転職する際には、転職エージェントなどを活用して応募書類の作成サポートや面接対策などを効率よく進めていくことが重要です。

本記事では、異動をきっかけに退職する場合の、退職タイミングや退職理由などについて紹介します。また、退職前に活用すべきおすすめの転職エージェントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

異動がきっかけで退職を検討する際には、まずはマイナビエージェントに相談して、自分にぴったりの求人がないか確認するのをおすすめします。転職事情を熟知しているアドバイザーが多く在籍しているため、異動について悩んでいる段階でも「転職すべきかどうか」から相談に乗ってくれます。

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【結論】異動がきっかけで退職できる

結論から言うと、自分が納得できない人事異動を理由に退職することは可能です。理由は簡単で、企業を退職する権利は、雇用主ではなく従業員に設けられているからです。

人事異動と一口に言っても、地方の事業所への異動や関係会社への出向、現在の仕事に関連する部署への異動などさまざまな種類があります。

とはいえ基本的には、企業には人事権という権利があるため、人事異動自体を従業員が拒否することはできません。

人事権とは、使用者が労働者の人事につき処遇を決定できる権利のことで、雇用主は労働者に対して解雇や懲戒・配置命令などの権利を持っているのです。

ただ、雇用契約と異なる異動や、上司からの圧力による異動などの嫌がらせによる場合に拒否できる可能性もありますが、その後同じ会社に残り続けることを考えると現実的ではありません。

その場合には、退職を視野に入れて、自分の理想とする働き方を実現していくのが良いでしょう。

参考：人事権｜働き方マスター試験｜働き方改革検定
参考：厚生労働省：労働政策審議会労働条件分科会　第４９回資料

異動がきっかけで退職する前に心得ておくべきこと

異動がきっかけで退職する際には、退職後に後悔しないためにも、以下の内容を事前に確認・検討しておく必要があります。

「早めに退職したい」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

異動先の情報を今一度確認しておく

退職に向けて行動する前に、今一度辞める理由や、その不満を退職以外の方法で解決できないか考え直してみましょう。

退職を決断する際には、異動辞令を受けた衝撃により、感情的になり冷静さを失っている可能性もあります。人事異動を機に退職を決断するのは簡単ではありますが、その後のキャリアのことを考えると、決して得策とは言えません。

まずは上司へ相談したり、以前に異動した先輩を参考にしたりして、異動先で本当にやりたいことが実現できないのか、実現するための方法があるのかを探ってみることをおすすめします。

異動についてあまりにも理不尽な場合や、やりたいことと長期的にかけ離れてしまう場合などやむを得ない場合には、思い切って退職する方法を検討してみても良いでしょう。

自己都合退職になるため会社都合退職より失業保険の給付条件が厳しい

人事異動を理由に退職する場合には、自己都合扱いの退職となります。

自己都合退職か、会社都合退職かによって「失業給付金」の給付条件や給付金額などが異なるため注意が必要です。

	会社都合	自己都合
支給日	7日経過後	2〜3ヶ月＋7日経過後
受給要件	退職以前1年間で被保険者期間が6ヶ月以上	退職以前2年間で被保険者期間が12ヶ月以上
給付日数	90〜330日	90〜150日
給付金額（最大）	約275万円	約125万円

自己都合退職になると、会社都合で退職した場合と比較して、最大150万円もの差が生じるため、退職する場合には慎重に検討する必要があります。

異動が存在する会社への転職が不利になることもある

退職後に、転職面接を受ける際には「人事異動を拒否して退職した」という事実があると、面接官に対してマイナスイメージを与えてしまう場合があります。結果として、異動が存在する会社への転職が不利になってしまう可能性があるのです。

そのため、転職理由を伝える際には、本来の理由を伝えるのではなく、ポジティブな印象を与えられるように工夫する必要があります。

具体的には、「人事異動でやりたくない仕事や部署への異動が嫌だった」というよりも「人生のキャリアの中でやり遂げたいことがあり、それを成し遂げるために貴社へ転職する必要があった」などと言い換えましょう。

「人事異動をきっかけに人生のキャリアを考え直した」「前向きにキャリアを描くための選択肢」などという前向きな意思が表現できるとポジティブな印象を与えられるでしょう。

退職後どうするのかを検討する

退職する場合には、その後どうするのかは事前に検討しておく必要があります。

主に、以下のような選択肢が考えられます。

急な人事異動の場合には、その後の生活スタイルを考える余裕もなく退職してしまうケースも考えられます。ただそれ以外の場合には、退職前に退職後の生活に関して考えておくことが重要です。

数ヶ月分の生活費が確保されている場合には、しばらく無収入でも生活はできます。しかし、転職や定職に就くまでの期間があいてしまうと、その期間の長さに比例して転職活動は難航するものです。

その結果、「焦って転職先を決めてしまった」という事態を避けるためにも、あらかじめ退職後の生活については慎重に検討しておきましょう。

異動がきっかけで退職する前に転職活動を進めておくのがおすすめ

異動がきっかけで退職する場合には、事前に転職活動を進めておくことで、精神的にも安心します。

退職後に転職活動を行うと、職がなく無収入の状態が続くため、精神的・金銭的不安が大きくなるうえに、転職先選びに支障をきたす可能性もあります。

在職中に転職活動を行うことに不安がある人は、転職エージェントを活用するのもおすすめです。

転職エージェントを活用すると、以下のようなサポートが受けられます。

転職エージェントは、一人ひとりに合った内容やスピードで寄り添ってくれるため、人事異動を理由に退職するという不安を抱えていても、キャリアアドバイザーに相談しながら進められるため安心です。

おすすめの転職エージェント

異動がきっかけで転職を検討する場合には、在職中から効率良く転職活動を進めるのがおすすめです。ここでは、おすすめの転職エージェントを紹介します。

気になるエージェントがあれば、ぜひ登録してみましょう。

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望まない異動がきっかけで鬱や適応障害になる可能性もある

人事異動を断れずに、望まない異動をした結果、異動先で上手く適応できずに鬱や適応障害を引き起こす可能性もあります。

特に、うつ病の診断は医師などの専門家でも難しいものです。そのため、それまでの慣れた業務や人間関係から一転、不慣れな業務や新しい人間関係を一から築くことに不安や緊張で押し潰されそうになった場合には、思い切って一度休むことも重要です。

柔軟な対応が苦手な人や、何事も完璧に仕事を進めたい完璧主義な人などが陥りやすいため、上手く周りの人に相談したり、休日はゆっくり休んだりして思い詰めないことが大切です。

実際に望まない異動がきっかけで鬱や適応障害になった人の声

ここでは、異動をきっかけに鬱や適応障害になった人の声を紹介していきます。

若い人でも、働き盛りの人でも、鬱や適応障害を引き起こすのはそう珍しいことではありません。そのため、鬱や適応障害の診断をされた場合には、ゆっくりと休職して心身共にしっかり休みましょう。

休職した場合には、仕事のことや復職のことは考えずに、まずは全てを忘れて好きなことや落ち着く場所に身を委ねるのが最優先です。

精神的に落ち着いた後で、異動後に適応できなかった理由やどのようなストレスを感じていたのかを振り返り、今後のストレス対処法などについて考えていきましょう。

考える中で、社会復帰したいと思えば、その時が仕事を考え直すタイミングです。

また、症状が長引く場合や、長期間仕事を離れていたためにキャリアに不安を感じる場合には、将来を考えて退職を検討してみるのも一つの方法です。

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退職のタイミングは？異動がきっかけで退職するまでの理想の流れ

転職先は、退職前に決めておくに越したことはありません。退職後も転職活動を進める場合には、長期的にではなく集中して短期間で進めていきましょう。

以下では、退職するまでの理想的な流れについて解説していきます。

【例文あり】退職理由が異動の場合の面接での伝え方

転職面接の際に、前職の退職理由を説明する場合には、面接官が求めていることに寄り添いながら、表現を工夫する必要があります。

ここでは、以下のケースについて、退職理由の例文を混ぜながら解説していきます。

転勤や異動に対応できずに退職する場合には、その機会をポジティブな転換期として捉えたという内容にすると、面接官にも好印象を与えられます。

家庭の事情で退職した場合

家庭の事情がある場合には、細かい事情を話すかは状況に応じて対応する必要があります。また、同じ理由で再退職する心配がないように説明を付け加えることが重要です。

前職では、人事異動により地方に転勤することを言い渡されていましたが、もともと母の介護をしていたため転勤に対応できずに、退職することを選択いたしました。その後状況は良い方向に向かい、先日より施設にお世話になっているため、今後は転勤のない職場で勤務したいと考えるようになり、今回応募いたしました。

現在の状況や転職活動の意欲を伝えるなどしてポジティブな印象を与えることで、安定して働けることをアピールできると良いでしょう。

キャリアの実現が難しく退職した場合

キャリアの実現が難しいと感じて退職した場合には、具体的にやりたいことに加えて、転職先で実現できる未来を伝える必要があります。

また、前職での不平不満をありのままに伝えるのではなく、前職の経験を通して成長した点や工夫した点を強調して伝えられると良いでしょう。

ソフトウェア開発会社のSEとして設計業務や要件定義などを行う上流工程に携わりたいという思いを持って、前職に入社いたしました。しかし、異動先の部署では下請け業務が多く、思い描くキャリアが実現できないと考えたため退職することを決断いたしました。クライアントから直接案件を受注している貴社では私の思いが叶えられると考え、応募いたしました。

異動先の人間関係が良くなかった場合

人間関係が良くなかったことについては、無理に伝える必要はありません。

人間関係の問題は、どの企業に転職しても起こり得る可能性があるため、異動先で叶えられたかったことが、転職することで叶えられるという、業務に対して前向きな姿勢を表現することが重要です。

前職では、人事異動を機に品質管理を担当するようになり、マニュアルを重視する傾向が強かったこともあり、安定したサービスの提供が可能でした。ただ、時に画一的な業務・接客になってしまうことが多々あり、「それぞれの主体性を高めて柔軟に行動できなければ、企業は成長できない」と考え、上司に提案もしましたが、実現は叶いませんでした。そのため、より良いサービスを提供するために、風通しが良く、向上心を持って挑み続けられる貴社の社風に惹かれ、ぜひ自分も貢献したいと考え応募いたしました。

異動に関するよくある質問

異動に関してよくある質問を紹介していきます。

異動に関して今後のキャリアに悩みを抱えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

異動がきっかけで退職を考える理由は？

異動によって退職を考える理由には、以下のようなものがあります。

異動によって、少なからず状況は変化するため、現在の状況や異動先の状況を冷静に分析して、自身の対応を考えるようにしましょう。

異動によって給与が減ることはある？

基本的には、異動命令そのものに給与を変える効果はないため、通常の異動や転勤で給与は変わりません。ただし、企業がポジションや転勤先で給与を定めている場合には、通常の異動によって給与が下がる可能性も考えられます。

また、降格人事の場合においても給与が下がる可能性が考えられます。新しい部署で以前と同じポジションからスタートすると、求められるスキルを満たしていない場合もあるため、あえてポジションを下げるという場合などです。

ただし、労働契約法15条によって、人事権を濫用した降格処分は認められないとされているため、違法性のある降格は無効となる可能性もあります。

異動は拒否できる？

一般的には、会社は人事権に基づいて異動を命じているため、原則として社員は拒否できません。

職種や勤務エリアの限定がある場合など、人事異動の拒否が認められるケースも一部ありますが、基本的には、内示の段階からでも拒否することは難しいと考えていた方が良いでしょう。

ただし、グループ会社への出向や、別会社への転籍の場合は雇用契約に関わるとされ、社員の同意が必要です。

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異動を断るとどうなる？

基本的に、人事異動は断れませんが、会社の十分な説明や交渉などにも応じずに、「業務内容が変わるのが嫌」などの理由で異動を拒否し続ける場合には、会社はやむを得ず解雇処分する可能性もあります。

そのため、人事異動を断るに値する適切な理由を伝えるか、転職を検討するかの決断をする必要があるでしょう。

異動して精神障害を引き起こしてしまってからでは遅いため、異動先に問題があるなどと感じている場合には、退職を視野に入れるのも一つの方法です。

異動がきっかけで退職をする前に転職活動を進めておこう

退職する権利は、従業員側にあるため、人事異動で退職することに問題はありません。ただ、人事異動が理由で退職した場合には、転職の際に、ネガティブなイメージを抱いてしまう面接官も多くいます。

そのため、人事異動によって退職する際には、自分の将来やキャリアを見つめ直すきっかけとして、改めて達成したいことや挑戦したいことを考えてみると良いでしょう。

また、転職活動を行う場合には、在職中に進めておくのがおすすめです。「在職中は、業務に追われて応募書類などをじっくり作成する時間がない」という人は、ぜひ転職エージェントを活用してみてください。

マイナビエージェントなら、応募書類などの作成にも柔軟に対応してくれるうえに、退職理由や書き方のポイントについても丁寧にサポートしてくれるため、在職中でも転職活動を計画的に成功に導いてくれます。

また、円満退職のためのサポートもしてくれるため、退職を考えたら、まずはマイナビエージェントに登録してみましょう。

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